八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十七話 お餅つきから帰ってその十二
「素晴らしいです」
「そうですか」
「ですから」
それでというのだ。
「これからも読まれて下さい、そして人ともです」
「読書だけでなくですか」
「交流をされていって世の中にもです」
こちらにもというのだ。
「出られて下さい」
「学校に行ってもいいですね」
「はい、学校も世の中ですので」
だからだというのだ。
「積極的に出られて」
「そうしてですか」
「人生を学ばれていって下さい」
「これからもですね」
「来年も。私もです」
「そうしてですか」
「世の中と人間をです」
その両方をというのだ。
「学んでいます」
「そうですか」
「ですから」
それでというのだ。
「義和様もです」
「本を読んで世の中に出て」
「人と交流して」
「学んでいくことですか」
「中には辛いこと、苦しいこともありますが」
世の中にはというのだ。
「愛別離苦という言葉にある通り」
「仏教の言葉ですね」
「そうです、世の中はそうしたことも多くあります」
「別れも苦しみも」
「痛みもです、ですが」
「そうしたこともですか」
「学ばれて下さい」
こう僕に話してくれた。
「生きていて。明日も」
「大晦日もですか」
「そうされて下さい」
「そうしていきます」
「是非」
「明日は大晦日なので」
一年の最後の日だからだ。
「夜に香織さんと外に出ます」
「そうされますか」
「そして除夜の鐘を聴いて」
そうしてだ。
「その後で神社にお参りします」
「お寺の次は」
「はい、八条寺に行って」
「その後で、ですね」
「八条神宮にも行って」
そうしてだ。
「八条分教会にもです」
「あちらにもですか」
「行きます」
「三つの宗教全て回られますか」
「そうします、ただ」
ここで僕はふと思って言った。
「キリスト教も」
「そちらの教会もですね」
「行けばいいでしょうか」
「いいと思います」
畑中さんは微笑んで僕に賛成してくれた。
「そちらも」
「そうですか」
「全ての神仏を認めて信じる」
「日本では普通ですね」
「そうあってこそ平和になるかと」
「実際日本では宗教の揉めごと少ないですからね」
おかしなカルト教団もあるけれどだ、そしてそうした教団程好戦的で排他的であるのは気のせいだろうか。
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