八条学園騒動記
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第六百二十七話 変わらないモンゴル人その十
「けれどね」
「主要産業ね」
「モンゴルのね、それで生きている人も多くて街にいる人達は」
今度は彼等の話をした。
「その街で商売とか工場で働いて」
「そうしてなの」
「街の周りで農業やってね、それで鉱山とかで資源掘って」
「暮らしているの」
「もうね」
ナンはそれこそと述べた。
「これで生きていってるから」
「国家として」
「だからね」
「もう充分なのね」
「ガツガツ資源採掘して産業興して発展とかはね」
連合の他の国では常である。
「モンゴルではね」
「ないのね」
「大帝国築いたけれど」
かつてはというのだ。
「今はね」
「のんびりしてるのね」
「そうなの。物凄く大きな農園開拓して」
今度は農業の話をした。
「そこで暮らすとかもね」
「しないのね」
「モンゴルじゃね」
「沢山の人が昔ながらの遊牧なのね」
「銀河の時代になってもね」
「そこは変わらない」
「そう、それでまたそれが快適なのよ」
コゼットにお茶を飲みつつ話した。
「本当にね」
「そうなのね」
「だからね」
「今もそうして暮らしているのね」
「そう、他の国は発展に必死だけれど」
「そうした生活もいいのね」
「そう思うわ、けれどそうした生活でも」
国家としてそうであってもというのだ。
「エウロパより国民所得ずっと上だったりするのよね」
「十五倍でしょ」
「連合全体でね、モンゴルって連合では国民所得低いけれど」
連合の中ではそうなっている、連合で一番国民所得が多いシンガポールの半分程で連合では一番低い方だ。
「それでもね」
「エウロパよりはなのね」
「八倍位あるらしいわ」
「そうなのね」
「いや、意外だわ」
「エウロパより豊かって」
「発展とかあまり考えてないのに」
そうした国だがというのだ。
「遊牧でのどかに暮らしている」
「それなのになのね」
「必死で働いているエウロパよりもね」
「まああっちはね」
コゼットは笑って話した。
「元がね」
「貧しいのね」
「だからね」
それでというのだ。
「あそこはね」
「モンゴルより貧しいのね」
「そう、だから比較すること自体が」
「間違いね」
「そうだと思うわ」
こうナンに話した。
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