八条学園騒動記
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第六百二十七話 変わらないモンゴル人その一
変わらないモンゴル人
ナンはこの時休憩でクラスの外に出ていた、そして愛馬がいる厩に行って馬の世話をしていたのだが。
そこにコゼットが来て言ってきた。
「馬のお世話してるの」
「家族だからね」
ナンはコゼットに笑顔を向けて答えた。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、馬のことはね」
「学校でも忘れないのね」
「何があってもね、だから時間があったら」
その時はというのだ。
「ここに来て」
「面倒見てるのね」
「ご飯とお水あげて」
そしてというのだ。
「うんこの方もね」
「あっさり言ったわね」
出したものの話をとだ、コゼットは思わず笑って応えた。
「言いにくいと思うけれど」
「いや、遊牧してると」
それならとだ、ナンはこれまたあっさりと返した。
「普通にね」
「出したもののお話するの」
「というか生きていたら」
それならともだ、アンはコゼットに言った。
「出すでしょ、私達もね」
「それはね」
「草原で暮らしていたら」
即ち遊牧生活を過ごしていると、というのだ。
「それならね」
「もうなのね」
「人がおトイレしてる場面もね」
「見るの」
「普通にね」
そうだというのだ。
「ゲルの中におトイレないから」
「そういえばそうね」
「遊牧民は普通にね」
「お外で用を足すから」
「見ることもあるのよ、人間もそうで」
そしてというのだ。
「それでね」
「馬についてもなの」
「羊もね、それでそうしたものを拾って」
馬や牛の排泄物をというのだ。
「燃料にもするし」
「それ今もしてるの」
「してるわよ、今じゃ普通にパソコンとか携帯使って」
ゲルの中でというのだ。
「それで折り畳み式のお風呂や洗濯機も使うけれど」
「それでもなのね」
「やっぱり燃料になるから」
それでというのだ。
「馬や羊だと草食でね」
「出したものも草ね」
「だから使えるから」
それでというのだ。
「無駄なく、エネルギーの効率的な使用の為にも」
「エコでもあるのね」
「だから余計にね」
尚更というのだ。
「うんこもね」
「使うのね」
「人間のものもね」
「うわ、そうなの」
人間のものもと聞いてだ、コゼットは少し顔を顰めさせた。そうしてそのうえでナンに対して言った。
「ちょっとね」
「それはなのね」
「抵抗あるわ」
話を聞いてというのだ。
「私としては」
「農業の肥料にも使うでしょ」
今は下水処理の段階でそうして分けているのだ、排泄物や廃棄物も産業の資源にするという連合のリサイクル技術の一つだ。
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