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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百二十六話 歯は大事その十六

「親父や八条荘の皆よりはね」
「義和も個性強いわよ」 
 けれど香織さんは僕に笑顔でこう言ってくれた。
「それもいい方にね」
「そうかな」
「だってどんなお話も聞いてくれるじゃない」
「それは個性かな」
「聞き上手も個性でしょ」
 この要素もというのだ。
「だからね」
「それでなんだ」
「義和もかなりね」
「個性強いんだ」
「誰にも合わせられるし」
「それも個性かな、無色透明じゃないかな」
「無色透明も個性でしょ」
 これはこれでというのだ。
「そうでしょ」
「そうなるかな」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「義和もね」
「個性があるんだ」
「聞き上手で誰にも合わせられるね」
「いい個性だね」
「それがあるわ」
 確かにというのだ。
「だからね」
「個性がないとはなんだ」
「思うことはないわ」
「そうだといいけれど」
「少なくとも義和は機械じゃないわ」 
 このことは確か、そうした返事だった。
「それは誰が見てもよ」
「間違いないんだ」
「ええ」
「だといいけれどね」
「機械って心ないでしょ」
「インプットされてないと」
 この場合はAIになるか、こちらの技術も進化していくと本当に機械も感情を持つ様になるだろう。
「それこそね」
「動くだけの」
「機械だね」
「道具と一緒ね」
「そうだね」
「けれど義和はね」
 僕はというのだ。
「ちゃんと個性があってね」
「心もあるから」
「機械じゃないわ」
「そうなんだね」
「むしろね」
「感情豊かだっていうんだね」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「そのことは安心して」
「そう思わせてもらうね」
「そうしてね」
「うん、それじゃあね」
「それとお餅食べたら」
 香織さんは僕にこれからのことも話した。
「その後は」
「解散だよ」
「これで終わりね」
「そうなるよ、もうね」
「じゃあ後は」
「そう、八条荘に帰って」 
 そうしてだ。
「後はね」
「自由時間ね」
「そうなるよ」
 こう言ってだった。
 僕はお餅の残りを食べた、そして解散になると香織さんと一緒に八条荘に帰った。後はもう自由だった。


第三百二十六話   完


                 2021・4・1 
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