ドリトル先生と幸せになる犬
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第三幕その十一
「わかるわ」
「わかってくれるんだね」
「先生のお言葉には先生のお心が出ているのがわかるわ」
ふわりにもです。
「だから」
「僕も嘘を言っているつもりはないよ」
決してというのです。
「だからね」
「それでなのね」
「うん、君はここで本当の一生がはじまったんだ」
「そうなのね」
「多分君は三ヶ月か四ヶ月で前のお家に来たね」
先生は日本で生きものが売られるには生後四十九日を経る必要がありそこからオークションとペットショップへの輸送、そしてふわりが言う暫くペットショップにいたという言葉からふわりが買われた時を推測しました。
「そうだったね」
「それ位だったわ」
ふわりもそう答えました。
「それで前のお家に来て二年少しでね」
「ママのお腹が大きくなって」
「赤ちゃんが産まれて三ヶ月はね」
「ずっとケージの中だったね」
「それで多分十日位前にね」
「捨てられてだね」
「何日か保健所にいて」
そしてというのです。
「このお家に連れて来てもらったの」
「そうなってるね」
「もう三歳になったわ」
「その三年よりも遥かにね」
「私はなの」
「ずっと楽しい幸せな日々を過ごせるよ」
そうなるというのです。
「もう絶対にいらないと言われないね」
「そうしたなの」
「最高に幸せな日々を過ごせるよ」
「私もそう思うわ」
動物の皆はこれまでずっと先生とふわりのお話を聞いていました、ですがここでまずはガブガブがふわりに言いました。
「私達人を見たらわかるの」
「その人がどういう人かね」
「大体ね」
チープサイドの家族もふわりに言います。
「わかるから」
「見ればね」
「君の今のご両親はとてもいい人達だよ」
トートーも言いました。
「奇麗で立派な心を持ったね」
「そしてお兄さんの匂いを感じたけれど」
ダブダブも言ってきました。
「とてもいい人の匂いだよ」
「事実貴女はこのお家で嫌な思いをしたことはない筈よ」
ポリネシアもこのことはわかりました。
「来て間もなくても」
「そもそも君を粗末にする人がわざわざ先生に君のお話を聞いてもらいたいと思わないよ」
ホワイティは断言しました。
「完全に放っておくよ」
「大体君を保健所から助けないよ」
老馬はこのことを言いました。
「駆けつけてね」
「それで君を早速大事にしているよね」
チーチーはふわりを見て言いました。
「見たところケージもお皿もおトイレも奇麗だしね」
「ブラッシングもしてもらってケージの扉も開いてるね」
「お散歩も行ってる感じだね」
オシツオサレツはふわりをまじまじと見て言いました、見れば不安そうでもストレスは今は少ない感じです。だからこうしたことも察したのです。
「そうだよね」
「君を家族だって思ってる何よりの証拠だよ」
「あの人達は君を絶対におもちゃとは思わないから」
ジップは自分と同じ犬であるふわりに強く言いました。
「安心していいよ」
「生きものを平気で捨てる人には独特の嫌なものがあるんだ」
先生はあらゆる生きものの味方なのでわかるのです。
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