八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十五話 総帥さんのお言葉その一
第三百二十五話 総帥さんのお言葉
僕は香織さんと一緒に総帥さんの前に出た、そのうえで挨拶をした。
「こんにちは」
「ああ、義和君も元気だね」
総帥さんは僕に笑顔で応えてくれた。
「何よりだよ」
「この通りです」
「そうだね、こんにちは」
ここで総帥さんも挨拶をしてくれた。
「今年もこの通りだよ」
「お餅つかせてもらってるんですね」
「やっぱりね、毎年ね」
「お餅ついてこそですね」
「一年が終わるってね」
「思えますか」
「だから今年もつかせてもらってるよ、あとね」
総帥さんは僕に笑ってお話してくれた、矍鑠たる感じが実にいい。
「君のお父さんも来たよ」
「総帥さんのところにですか」
「そう、朝にね」
「そうだったんですか」
「元気ですかって笑顔でね」
「笑顔で、ですか」
「そうだったよ」
こう僕に話してくれた。
「相変わらずで何よりだよ」
「親父も元気なら」
「僕も嬉しいよ」
「そうなんですね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「奥さんと久し振りに一緒に暮らせて凄く嬉しいそうで」
それでというのだ。
「京都に行ったよ」
「そうらしいですね、今頃は京都ですね」
「そうだね」
「はい、ただ親父もですか」
「僕に顔を見せてくれちたよ」
「相変わらず何時の間に、ですね」
正直に思ったことだ。
「親父らしいです」
「フットワークがいいね」
「右に左にって感じで」
まさにそうした風だ。
「動きますから」
「そうだね」
「もう京都駅には着いて」
あの迷路みたいな駅にだ。
「それでお袋と美味しいお店に向かってますね」
「そうだろうね、今頃は」
「ですね」
「君のことも言っていたよ」
総帥さんは笑ってこうも話した。
「後で来るから宜しくお願いしますとね」
「僕のこともですか」
「そう言ってたよ」
「そうだったんですか」
「俺には過ぎた息子だともね」
「言いますね、そんなこと言ったら」
僕はついつい苦笑いになった、そうして言った。
「僕の方もですよ」
「そう言いたいね」
「僕には過ぎた親父ですよ」
この言葉を心から出した。
「本当に」
「ははは、そう思うのがいいんだ」
総帥さんは僕に笑って話してくれた。
「人の関係はね」
「お互いがですか」
「そうね、トンビが鷹を産むとね」
その様にというのだ。
「その逆もだよ」
「鷹がトンビをですか」
「そう思うことがだよ」
「いいのですか」
「そう、だから義和君もだよ」
僕もというのだ。
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