ドリトル先生と幸せになる犬
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第三幕その三
「幸い同じ神戸市でよかったね」
「全くだよ」
「電車に乗ってすぐだったし」
「同じ神戸市でよかったわ」
「実際にすぐにここまで来たし」
「地図によるとあと少しだね」
「うん、そうだよ」
先生はそのお家の住所をスマートフォンの地図で確認しつつ答えました。
「あと数分だね」
「そうなんだね、じゃあね」
「このまま行こうね」
オシツオサレツが先生に二つの頭で言いました。
「皆でね」
「先生道案内宜しくね」
「しかし、酷い飼い主達だね」
ダブダブは先生にお顔を向けて言いました。
「その娘の前の飼い主達は」
「ペットショップで飼っても保健所に捨てるなんて」
ガブガブも言いました。
「ものじゃないのよ」
「あの、命だって認識あるのかな」
チーチーはこのことが疑問でした。
「その飼い主達には」
「おもちゃじゃないから」
「というかいい人はおもちゃだって大事にするわよ」
チープサイドの家族も言います。
「それなのに死んでしまえなんて」
「殺処分もある場所に捨てるなんてね」
「僕そんな人とは絶対に一緒にいたくないね」
ホワイティは言い切りました。
「何があっても」
「絶対に裏切るからね」
ジップもこう言います。
「自分勝手な理由で」
「何があっても裏切らない先生とは全く違うわ」
ポリネシアも先生も見ています。
「それこそね」
「本当にそんな飼い主は生きもの飼ったら駄目だよ」
老馬は怒った声です。
「飼われる生きものが可哀想だね」
「そんな人が親になっても酷いだろうね」
トートーは考えました。
「自分達の子供もおもちゃ扱いでね」
「皆の言う通りだよ、そんな人が生きものを飼えない様にする」
そうしたというのです。
「制度にしないといけないね」
「そうだよね」
「命を粗末にする人は生きもの飼ったら駄目だよ」
「先生の言う通りよ」
「そのことはね」
「ペットショップもね、命を商品とだけしか思わないならね」
それならというのです。
「よくないよ」
「全くだね」
「命を売買すること自体も問題?」
「それって奴隷と同じじゃないかしら」
「若しかして」
「それを言うと家畜もだけれど。命のことは難しいよ」
先生は何時になく深刻に皆とお話しました、そしてです。
そのお家に着きました、お家は国崎さんといって清潔な感じですがちょっと古い感じの一軒家でした。
そのお家のチャイムを鳴らすとちょっと威勢のいい感じですが優しい目をした初老の男の人とまだ充分に若い外見の女の人が出て来て先生に穏やかな声で言ってきました。お二人共ご夫婦とのことでした。
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