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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百二十四話 総帥さんその九

「だから贅沢と言うには」
「確かに違うわね」
「そうだよね」
「お金を使うだけで」
 本当にそれだけだ。
「贅沢とはね」
「違うわね」
「遊び人だけれど」
 このことは事実でもだ。
「贅沢とがね」
「違うのね」
「またね」
「遊び人と贅沢は違うのね」
「遠山の金さんかな」
 僕はふとこの時代劇を思い出した。
「金さんは遊び人だね」
「ええ、そうした設定よね」
「けれど贅沢じゃないよね」
「チョイ悪って感じだけれど」  
 そして色々やんちゃな系統の遊びはしている、けれど贅沢かというとそんな素振りは劇の中ではだ。
「そういうのはないわね」
「そうだよね」
「義和のお父さんはそうしたタイプなのね」
「それで一族でもね」
「贅沢な人はいないのね」
「そんな感じの人はいないね」
 僕の見たところだ。
「むしろいつも忙しくね」
「働いてる人が多いのね」
「親父もあれでちゃんと働いてるし」
 このことは忘れない人だ。
「お医者さんとしてね」
「凄い腕の外科医さんよね」
「それで世界的にも有名だよ」
「そうよね」
「仕事は真面目なんだ」 
 遊ぶことは遊んでもだ。
「そうした人だよ」
「お仕事して遊んで」
「家のこともしてね」
 そうしてだ。
「生きている人で」
「贅沢はしていないの」
「それで総帥さんも」 
 今出て来られたその人もだ。
「贅沢かっていうと」
「違うのね」
「ルイ十四世みたいなことはないよ」
 ベルサイユ宮殿を建てて美食家としても知られた人だ。
「女性のお話もないし」
「そうなの」
「うん、もうダイアモンド婚の奥さんがおられて」
 元大名家の華族の出の人だ。
「その人とね」
「ずっとなの」
「一緒で」
「浮気とかも」
「昔はお妾さんとか普通にいた時代だったけれどね」
 昭和の頃までそうだった、有力者と言われる人は大抵そうした人がいた。これは政治家でも経営者でもだった。作家でもだった。
「太宰治でもね」
「あの人は有名よね」
「昭和に生まれ育った方だから」
 それでだ。
「そうしたことも許されたけれど」
「奥さんだけなの」
「そうなんだ」
「そのことも凄いわね」
「昭和帝もそうだったって言われてるよ」
「あの方はそうよね」
「側室のお話が出ても断られたから」
 中々皇太子ご生誕とならずにだ、そしてその候補の人達の写真をご覧になられて良縁を期待するで終わったというから流石だ。 
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