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八条学園騒動記

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第六百二十四話 茶道をしてみたその二

 日本人の三人は正座のままだった、スターリングはそれを見て言った。
「君達は平気なんだ」
「長い時間は無理よ」
 七海は笑って答えた。
「けれどお茶が入ってね」
「飲むまではなんだ」
「平気よ」
「私も」  
 彰子も言ってきた。
「多少の時間は」
「それはどうしてなの?」
 彰子には蝉玉が尋ねた。
「平気なのかしら」
「正座する機会が多いと」
 それならとだ、彰子は蝉玉に答えた。
「身体も慣れるの」
「そうなの」
「そう、だから」
 それでというのだ。
「多少はね」
「正座してもなの」
「平気なの」
「私はちょっとで駄目なのに」
 蝉玉はここまで聞いてこう言った。
「慣れって凄いわね」
「も元々正座は中国だよね」
 菅は正座したまま七海に問うた。
「この座り方は」
「ああ、昔は今みたいな椅子じゃなくてね」
「腰を掛けるんじゃなくて正座していたんだよね」
「台みたいな椅子の上にね」
「そうだったね」
「それ大昔の話よ」
 蝉玉は菅に笑って話した。
「精々三国志とかの」
「三国時代だね」
「その頃のことでね」
「普通の椅子に腰掛ける様になって」
「正座なんてね」
 中国ではというのだ。
「なくなったわ」
「そうなんだね」
「昔のことよ」
 それも遥かなというのだ。
「二千数百年以上昔の」
「大昔だね」
「だからね」
「今の中国の人は」
「正座しないわよ」
 そうだというのだ。
「全くね」
「そういえば正座しているのってね」
 スターリングも言ってきた。
「日本人だけだね」
「他の国にはないのね」 
 七海が応えた。
「そうなのね」
「うん、若し他の国で正座しろとか言ったら」 
 スターリングは七海に話した。
「それだけで虐待いや拷問になるよ」
「拷問って」
「身体を痛め付けるから」
 足が痺れるからだというのだ。
「もうね」
「拷問になるの」
「日本でも茶道とか剣道以外でないよね」
「そうね、そうしたの以外ではないわね」
 七海も答えた。
「もう座布団の上に座るにしても」
「それでもだね」
「女の子座りよ」
 七海は自分の性別から話した。 
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