八条学園騒動記
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第六百二十三話 茶道の部室へその三
「そういうことね」
「そのことも考えたら」
「茶道は偉大ね」
「千利休さんは文化を確立させて」
茶道というそれをというのだ。
「そしてね」
「お茶と和菓子の二つの産業をも築いたのね」
「そうだね」
「そう考えると偉大な人ね」
「とてもね」
「大勢の人を食べさせる」
スターリングはこのことについて言った。
「このことをしたら」
「どれだけ偉大か」
蝉玉も言った。
「善行か」
「そうだよね」
「利休さんはまさに偉人ね」
「二つの産業を興してね」
「お茶だって」
蝉玉はそのお茶の話をした。
「お茶畑があって」
「それを作る人がいてね」
「それからお茶を飲める様にする」
「そうした人もいて」
「そしてお湯呑みとかをね」
「茶器だね」
「造る人も出て来るから」
巡り巡ってそうなるからだというのだ。
「凄い産業よね」
「そうだね」
「それだけのものを築いたからには」
「利休さんは偉大だね」
「本当にそうね」
「和菓子だって」
スターリングはこちらの話をした、やはりお茶があるとどうしても甘いものが欲しくなるのである。
「それもね」
「食材必要だし」
「まずね」
「麦とかお米に」
蝉玉はこちらの話もした。
「小豆とかお砂糖とか」
「そういうのもだよね」
「必要で」
「そうしたもを作る農家の人と」
スターリングは話を続けた。
「職人さんだよ」
「そうなっていくわね」
「そして売る人もいるから」
「やっぱり一つの産業ね」
「また食器もいるし」
「そちらでもよね」
「産業だからね」
そうなるからだというのだ。
「こちらでも大勢の人を食べさせているから」
「利休さんは偉大ね」
「本当にね」
「素晴らしい人だわ」
「その論理でいくと」
菅がここでまた言った。
「豊臣秀吉さんも善行積んでるよ」
「利休さんを切腹させても」
「それでもなのね」
「だってこの人を題材にした創作無数にあるんだよ」
この時代でも生まれ続けている、伊達に農民の息子から天下人にまでなった訳ではないということだ。
「演じる人も書く人も多いから」
「大勢の人を食べさせている」
「秀吉さんにしても」
「だから秀吉さんも善行を積んでいる」
「そういうことね」
「人を食べさせることが人間の最高の善行の一つなら」
「秀吉さんもだね」
「ちゃんとしているのね」
「利休さんを切腹させても」
「他にも色々していても」
「そうなるよ、だから今頃ね」
菅はその話を続けた。
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