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それから 本町絢と水島基は  結末

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13-⑶

 私達の結婚が10月の初めに決まった。あっと言う間だった。社長さんたちが島に入った後、どういう風に話してくれたのか、モトシがご両親と一緒に、私の実家に結婚の申し込みに行ってくれた。式は簡素にということだったけど、うちのお母さんが、絢には、どうしても白無垢とウェディングドレスを着せたいと言っていたらしい。結局、白無垢は写真だけということになった。

 7月の梅雨が明けて、私は、島に行って、お世話になる民宿に挨拶に行った。70近いおばさんで、20年くらい前にご主人に先立たれ、子供達も東京に行って、帰ってこないらしい。お客さんが多いときには、大変なので断っている状態らしい。顔を見せると、すごく喜んでくれた。親しみやすかったので、私は、8月の会社休みの時には、手伝いに来ると言ってしまった。

 帰る前、モトシの借りている家にも行ってみた。汚れた白い壁のお家。汚くて、一瞬、こんなとこって思ってしまった。ぜいたく言えないか、私達の第一歩なんだ。鍵も掛かっていなかった。電気製品であるのは、冷蔵庫、炊飯器だけで、他には、本と服と鍋が2ツとフランパンと少しの食器だけ。布団だって、敷きっぱなしの1組だけだし、洗濯物をロープに吊るしてあった。モトシってこんな生活しているのかしら。覚悟しているとはいえ、私、生活出来るんだろうかと思いながら、台所とか、お風呂、便所を掃除して、家を出た。今日は、多分、モトシは仕事で会えない。

 茜が7月の末に出産予定だという。去年、夏の終わりに結婚していた。卒業してから、直ぐに、小野原さんと同棲をしていて、教員になるのもあきらめていたみたいだ。結局、小野原さんの手伝いをしていたみたい。式には、私行かなかったけど、慎二と葵、詩織は出席して、小野原さんの仕事の関係で出席者も多く、豪華だったということだ。

 モトシが、式場を決めるため島から来ていた。披露宴は島でやりたいと言っていた。私は、もともと、ふたりだけで式だけあげれれば、いいと思っていたので、それは、それでも良かった。結局、ホテルの教会と身内だけの会食会場、貸衣裳だけを決めたんだけど、その後も、お母さんが、私のドレスは仕立てるからと言って、何度も打ち合わせに来ることになる。


 
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