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東方闇剣士

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闇の剣士、メギドを討つ。

鈴奈庵に住み始めてから数日…私はこの世界は一体どこなのか理解できた。
ここは『幻想郷』、ワンダーワールドやアヴァロンとはまた違った世界のようだ。幻想郷に行くには人々から忘れ去られる、または否定される必要があるそうだが……私は彼らに忘れ去られたということなのか?


上條「……そんなはずはない。そればかりか闇黒剣月闇とワンダーライドブックがここにあることもおかしい…………」


しかも幻想郷は妖怪だけでなく、妖精や神、閻魔もいるそうだ。私はメギドと会っているからそんなに驚くことはないのだが………少女ばかりとは思わなかった。例の永遠亭とやらは竹林の奥にあるそうだが、そこの薬師は月人。人間で言うところの宇宙人だそうだが、月に住んでいたとは思えなかった。いずれ少女の姿をしたメギドも………いや、それはないと思いたい。そんなものを見たら神山飛羽真たちはきっと唖然とするだろう。いや、レジエルたちもそうか。
このように人外がかなり生息しているが、代わりに人間はかなり少なく、今私がいる鈴奈庵を含めたここ『人間の里』にしかいないらしい。


上條「………」


だが例外が2人いた。確か4日目だったか……その時に彼女たちが鈴奈庵に入り、『博麗霊夢』と名乗る巫女が私にかなり警戒していたな。「異変を起こしそうな悪人面をしている」と言われたが、言いがかりにもほどがある。レジエルたちと協力していたとはいえ、否定はできないが、何もそこまで言う必要はないだろう。
もう1人は『霧雨魔理沙』と名乗る魔女。霧雨といえば大手道具店霧雨店というのを聞いたことがあるが、それと関係はあるのか?それはそうとして、彼女は霊夢とは対照的で、私に言いがかりをつけた霊夢に「人を見かけで判断するな」と怒り、私がどうやって元の世界から来たのか珍しそうに聞いていた。一応どんな所なのか軽く説明したら、すごく目を光らせていたな。
そしてあの2人は人間の里に住まず、ここからかなり離れた場所に住んでいた。霊夢は博麗神社という建物に住み、魔理沙は魔法の森と呼ばれる所で霧雨魔法店という建物に住んでいるそうだ。霊夢はともかく、魔理沙は1人でそこに住んで大丈夫なのだろうか?少し気がかりだ。
あと魔理沙から聞いた話によると、紅魔館という吸血鬼が住む屋敷には時を操るメイド長がいるそうだが……時を操る、か………とても興味深い。いずれ会った時に手合わせするのもありかもしれん。


上條「だが、あの博麗霊夢は鈴奈庵を去るまでに私への警戒を解くことはなかったようだな。それだけ警戒するということは、いずれ私が何かしらの事件を起こすと思っているのだろうか?真理を知りたいだけだが、それだけで驚異と思われるのか?」


話がずれてしまったが、外の世界……つまり私がいた世界と隔絶されているらしく、ここに来ることは基本的に不可能らしい。どうもここには管理者と呼ばれる者が存在するそうだ。会ったことはないが、ここを管理しているだけあって相当な実力を持っているに違いない。あまり世話になりたくないものだ。
だが………肝心なのはメギドの存在だ。この幻想郷にもいないとは限らない。仮に出てきたとなれば、その時は闇の剣士としての責務を全うしよう。
わかっていることはそれだけだ。なぜこの世界が誰にも気づかれることがないのか。どういう思いでこの世界を作ったのか。この幻想郷の真理も知りたい。なぜ私が幻想郷にいるのか、その謎も含めて探していけばきっと見つかるかもしれん。


上條「………」チラッ


しかし、鈴奈庵の本………どれも見たことのないものばかりだな。『四聖勇者書』に『蜘蛛戦記』、『冒険者と女神』といった普通の本もあれば、見るからに危険そうな本もある。破滅の本に封じられたバハトを思い出すが、今どうしているのだろうか?
まず、どこで仕入れてるんだ?気になって仕方ない。しかもよく見ると、私の知らない世界のものも混じってるではないか。


上條「とはいえ、店番というのは…………ずいぶん暇なものだな」


小鈴は今子供たちに本の読み聞かせをしている。どんな文字でも読める能力を持ってるそうだが、なかなか羨ましいものだな。
中には怪しいものも混ざっているが……危険だから斬っていいかと聞いたら全力で拒否してたな。仕方なく私が借りている部屋の本棚に置いといたが、何も起きないことを祈るしかない。私も調べてみたいが、本能が働いている以上、安易に開くのはやめておこう。だがいつかあの本を…。


小鈴「はい、今日はここまで。続きはまた今度ね」

上條「読み聞かせは終わったのか」

小鈴「『時の魔王と少年』を読み聞かせしてました。荒野にポツンとある玉座に座っていた魔王がある日町を眺めていた少年と出会い、なぜ自分は魔王になったのか、どうして自分は1人でいる必要があるのか考え、最後は少年のために………」


すまん、内容がさっぱりわからん。いや、そんなことより……。


小鈴「あっ、それと似たような本があって、『救世主伝説』というのがありましてね。時の魔王と少年の別視点なんですが―――――」

上條「待て。いろいろと待て。内容が入ってこない。そんなことよりあれを読み聞かせたのか?読んだだけで害とかないだろうな?」

小鈴「ないですよ?だって、子供たちに対して『我が魔王』とか『我が救世主』とか読んでるだけですし」

上條「どこからどう見ても受けてるだろ……後でその本没収だ」

小鈴「またですか!?『青空の青年』とか『吸血鬼と聖職者』はいいのにですか!?」

上條「害がなかったらの話だ。実際、その2冊は害がないと判断し、返しただろう?」

小鈴「そうですけど………」


というのも建前であり、本心でもある。闇黒剣月闇以外に『ジャアクドラゴン』を見つけた時、その隣に見知らぬワンダーライドブックがあった。『滅亡迅雷モンスターズ』だったか?その時、確か……。


『かつて、人類を滅ぼそうとしたのは4人の仮面ライダーだった…』


と流れていたが……仮面ライダー?他の世界にも仮面ライダーと呼ばれる剣士が存在するというのか?そう思い、念のため回収した。その下には『四獣士』と書かれた本があった。例のワンダーライドブックと仮面ライダーと関係しているのかと推測し、他の本を預かっては調べてみた。
結果、今日までワンダーライドブックが確認されたのは青空の青年、吸血鬼と聖職者の2冊だった。だが気がかりだったのは『ジャオウドラゴン』がなかったことだ。なぜジャアクドラゴンはあったにもかかわらず、ジャオウドラゴンがなかったのか………誰かが持っていったのか?その時に消されたのか?
それはそれとして、小鈴は私を助けてくれた。真理を探求するためとはいえ、住む所なくして活動もままならんからな。もし彼女の身に何かあればと思うと………。


上條「しかし、これだけの本をよくここまで仕入れたものだな。中には『アガサクリスQ』という名の作家が書いた本もあるようだが………」

小鈴「でもあんまり評判じゃないんですよね。外の世界の推理小説なんですが……」

上條「……常識や法律など規律があるからこそウケがいいんだが、規律があやふやな所ではウケが悪いのだろう。常識がないというのも考えものだな」


それはそうと、問題はメギドの存在だな。ここまで何事もないと思うと、不気味としか言いようがない。何かしらの事件が起きても不思議ではないが……。










紳士風の白髪男「私の睨んだ通りでした。彼はやはり剣士のようです……それも闇を司る者」

トラのスカジャンの着た男「闇の剣士か……ならばこの『エビルタイガー』様が奴を成敗してくれよう!」

ミュージシャン風の男「いや、奴を音楽で魅了させ、滅するのはこの『ソウル』だ」

紳士風の白髪男「まあまあ、そう焦らずに。まずは小手調べと行こうではありませんか」


『オルタ…』


紳士風の白髪男「さあ、『イフ・ストーリー』。あなたが世界を繋げるのです。そして闇の剣士を滅ぼしなさい」

イフ・ストーリー「かしこまりました。さあ、この世界で自分好みの新たな物語を作るとしよう……」










上條「…?」


何やら外が騒がしい。


小鈴「なんか騒がしいわね……また事件でも起きたのかな?」


小鈴も外の様子がおかしいことに気づいたようだ。まさかメギドが動き出したというのか?そうであってほしくないが……。
気づけば私は闇黒剣月闇とジャアクドラゴンを手にしていた。


小鈴「上條さん、それ…」

上條「前にも言っただろう、私は闇の剣士だと。いつ何が起きてもおかしくないと言わんばかりに平穏だったんだ、もしかするとメギドが現れたかもしれん……」

小鈴「メギド?」

上條「まあ、ここでしゃべっていても実際にこの目で確かめないとわからん」

小鈴「あっ、ちょっと!上條さん!」


鈴奈庵から出た途端、すぐに外がどうなっているのかわかった。
目の前に広がる美しい自然、シャボン玉、空想の生物………間違いない、ワンダーワールドだ!


小鈴「な、何これぇぇぇぇぇぇ!?人里がなんかすごいことになってる!?」

上條「お前も来たのか小鈴」

小鈴「だって気になるじゃないですか!というか、上條さんが言ってたワンダーワールドって、まさか………これのこと!?」

上條「いかにもそうだ。まさか幻想郷までワンダーワールドに吸い込まれるとは………メギドの仕業としか考えられない。だが奴らはどこに……?」


だがワンダーワールドに吸い込まれたのは私と小鈴だけではなかった。里の人間たちもワンダーワールドに吸い込まれている。
そしてあの巫女と魔女も…。


魔理沙「どうなってんだよこれ!?私たち、今どこにいるんだよ!?」

霊夢「ここが人里でも幻想郷でもないのはわかるけど、明らかに異変レベルでしょ!」


普段の霊夢と魔理沙からは窺えない取り乱し方だった。あの烏天狗は別だが。
確か名前は『射命丸文』だったか?スクープだと言いながらカメラでワンダーワールドの写真を大量に撮っている。


文「幻想郷でこんなすごい光景が見れるなんて一生に一度しかないチャンスだわ!明日の新聞のネタもどんどん湧いてくる!激写激写ァ!」

霊夢「文ーっ!!写真ばっか撮ってないで元凶探しなさいよ!!」

文「え~、何でですか~?せっかくきれいな光景なのに~」


彼女から撮影をやめる気配は感じられなかった。メギドを探す必要があるが、ここは霊夢と魔理沙と協力すべきか?だが霊夢は私に言いがかりをつけてきた女だ。下手に声をかければ元凶扱いされ、攻撃されるかもしれない。
だが元凶はすぐに見つかった。いや、自ら来たと言った方が正しいか。それも犠牲者を連れて。


イフ・ストーリー「つまらんな……彼女の最強物語は三流以下のものだったか」

氷の妖精「ちょっと!何よこれ!あたいを捕まえてどうしようってのさ!」


あれは砂だろうか。氷の妖精の身動きを取れなくしている。
そして我々の前に見るからにいびつで禍々しい化け物が……化け物?待て、奴は化け物でもただの化け物じゃない……。


上條「…………やはりメギドも幻想郷に存在していたか」

小鈴「メギド?あれが?」

霊夢「って、小鈴ちゃん!何でここにいるの!?」

魔理沙「上條までいるぞ!」

霊夢「え!?じゃあこの世界も、あの妖怪も、まさか……!」


気づかれた。霊夢と魔理沙は我々を見るなりすぐに駆け寄ってきた。そして霊夢はものすごい形相で睨みながら私に顔を近づけてきた。


霊夢「上 條 さ ん ?」

上條「一体何の話をしている?」

霊夢「とぼけないでちょうだい。やっぱりあんたを疑って正解だったわ。あれはあんたの仕業?」

上條「また言いがかりか?私はさっきまで鈴奈庵で店番をしていたんだが?」

霊夢「じゃあ何なのよ、あの光景は!?何でチルノもあの妖怪に捕まってるのよ!?」

魔理沙「待て待て待て待て、霊夢!だから人を見かけで判断すんな!」

小鈴「そうですよ霊夢さん!上條さんの話を聞いてください!」


小鈴と魔理沙の制止も入り、私も何も知らないことを全て話した。そして霊夢はやっと元凶が私ではないことを理解した。


霊夢「ホントに何も知らないのね?ホントにあんたの仕業じゃないのね?」

上條「そう言ってるだろうが。全く……私を疑う暇があったら奴の相手をしてはどうだ?」

霊・魔「「え?」」

イフ・ストーリー「私とこの娘を無視して仲間割れとはずいぶん余裕だなぁ」

チルノ「ぅ…………ぅぐ…………ぁぁ…………」

霊夢「チルノ!」


私もメギドとチルノのことを忘れていた。どうやらあのメギドの砂は体を絞め上げることもできるようだ。
チルノの顔を見ると、青ざめていた。このまま放っておけば命はないだろう。


魔理沙「あの化け物野郎!私の魔法でやっつけてやる!」

霊夢「あっ、ちょっと魔理沙!待ちなさいよ!」


霊夢と魔理沙が何も考えずメギドに突撃した。どうなっても知らんぞ、私は。


魔理沙「チルノを離しやがれ!魔符『スターダストレヴァリエ』!!」

霊夢「夢符『封魔陣』!!」

イフ・ストーリー「無謀で哀れな女たちだ。私が作る物語の方が格上だ」


すると霊夢と魔理沙の首に何かを取りつけられた。あれは首輪のようだ。


霊夢「!?な、何これ!?首輪!?」

魔理沙「こんなもん私たちにつけやがって!くそっ、取れねぇ!」

霊夢「しかも能力もスペルも使えない!どうなってんのよ!」

イフ・ストーリー「私が首輪を外すまで君たちは能力を使えない」


今度は大きく息を吸い込んだが……次は何をする気だ?


イフ・ストーリー「ガァオオオオオオォォォォォ!!!!」


ッ!!これはライオンの咆哮か!?とはいえ、なんという不気味な声だ!耳が痛い!


霊夢「きゃあ!!」

魔理沙「うわーっ!!」


霊夢と魔理沙は吹き飛ばされ、その辺にある建物に叩きつけられた。無論、私と小鈴も巻き添えになった。


チルノ「ぁぅ………冗談抜きで…………砂嵐が見えるよぉ………嫌ぁ…………ぁだい……まだ………じにたく………ぁい……………」

イフ・ストーリー「さあ、どうする?放っておけばこの娘は骨も残らないぞ?」

霊夢「あんたって……!」


奴を見ているうちに過去の記憶が蘇った。15年前、富加宮が裏切ったあの日のことを。





上條『富加宮!お前はその少女を使って何をする気だ!?』

隼人『この少女は2つの世界を繋ぐ特別な存在だ…』

上條『何!?』

隼人『俺はあそこで普遍の真理を手にする』


あの少女(ルナ)を救えなかったことを。


飛羽真『ルナ!!絶対助ける!!約束だ!!』

ルナ『飛羽真ァァァァァァァーーーーーーーーーーーーッ!!!』

上條『しまった……!』


命がけで富加宮を止め、あいつを斬ったことを。


隼人『なぜ邪魔をした!!これが世界を救う唯一の道だった!!』





上條「…………下がれ。あの娘は私が救う」

霊夢「はぁ!?異変起こしそうな悪人面したあんたに何ができるのよ!?」

小鈴「待ってください、上條さん!死んじゃいますよ!」

魔理沙「私たちも能力を封じられてるんだ!だからって普通の人間のお前があいつを倒しに行くのは死にに行くようなもんだぞ!」

上條「いいや、倒せる……私は闇の剣士としての責務を全うする。そして二度とあんな悲劇を起こしてはならない。そう決めたんだ。この決意の先に真理があるならば………何度でもつかみ取ってみせよう」


私は闇黒剣月闇を握りしめ、ジャアクドラゴンの表紙を開く。


『ジャアクドラゴン!』

『かつて、世界を包み込んだ暗闇を生んだのはたった1体の神獣だった…』

『ジャアクリード!』


ジャアクドラゴンを闇黒剣月闇に読み込ませ、ドライバーに装填。両手で闇黒剣月闇の柄を持ち、そして…。


上條「変身!」


柄でドライバーのスイッチを押し込み、ジャアクドラゴンのページを開いた。


『闇黒剣月闇!』

Get go(月光!) under conquer(暗黒!) than get keen.(斬撃!) ジャアクドラゴン!』

《月闇翻訳!光を奪いし漆黒の剣が、冷酷無情に暗黒竜を支配する!》


霊夢「え………何あの姿………!?」

魔理沙「本からドラゴンが出てきて上條と合体した!?」

小鈴「まさか……上條さんが言ってた闇の剣士『カリバー』って………」


まさに私のことだ。15年前、組織により変わり、組織を裏切った富加宮は私に斬り捨てられた。覚悟を決めた私も悪魔に魂を売ってでも、友を悪魔に変えてでも、真理を手にするためにこの姿になった。


イフ・ストーリー「ほほう……君が闇の剣士か。私が作る物語に君はいてはいけない存在だ。あのお方にも命令されている。君の人生は私の手でエンドマークを打たれる」

上條「お前には不可能だ。定められた運命は……私が壊す!」


これが私にとって幻想郷での初陣となった。闇黒剣月闇の刃がメギドを襲う。


イフ・ストーリー「さすが闇の剣士……だが君の物語はここで終わり、君の本も私のものとなる」


すると奴も剣は剣で対抗すべしと言わんばかりに剣を召喚してきた。
だが私もソードオブロゴスに所属していた身、剣術は私の方が上だ。私は奴の剣を弾き落とす。奴はまた武器を召喚しようとするが、そんなことはさせない。私は何度も斬りつけ、左拳でみぞおちを狙う。
さて、捕らわれたチルノだが……。


霊夢「あーもう、飛べないからイライラする!」

魔理沙「ホウキ使っても届かねぇ!高すぎんだろ!」


霊夢と魔理沙が助けようと奮闘していた。首輪はまだついたままだ。
チルノにもいい加減死期が近づいてきた。死なせるものか。必ずこいつを倒し、必ず救ってみせる。


イフ・ストーリー「世の中には……私の手で変えられない物語もあるのか………?」

上條「全てがお前の思い通りになると思うなよ。ハッ!」


私はメギドを蹴り飛ばす。そろそろこいつには消えてもらおう。ドライバーからジャアクドラゴンを抜き、闇黒剣月闇に読み込ませる。


『必殺リード!ジャアクドラゴン!』

『月闇必殺撃!習得一閃!』


闇黒剣月闇の刀身が闇に包まれる。そのまま私は闇黒剣月闇を2回振るい、斬撃を飛ばす。
斬撃は途中でX字となって重なり、回転しながらメギドに向かう。


イフ・ストーリー「!!」


メギドは斬撃に切り刻まれる。そして私は奴の遺言を耳にしたような気がした。


イフ・ストーリー「ああ、残念で仕方ない………物語の続きは………特等席で観賞することにするよ…………」


メギドは爆発し、塵となって消えた。同時に霊夢と魔理沙につけられた首輪も消え、チルノも砂と共に地に落ちた。


魔理沙「うっしゃー!やっと首輪が消えた!霊夢、見ろよ!私、ホウキで空飛んでるぜ!」

霊夢「世界も元に戻ってるわ!あいつ、悪そうな顔して意外とやるじゃん!」


今のは一言よけいだぞ。私は内心呆れながら変身を解く。


小鈴「やりましたね、上條さん!」

上條「私のことはどうでもいい……それよりもその辺で倒れている氷の妖精を心配したらどうだ?」


チルノはもはや虫の息だった。霊夢たちはすぐにチルノの安否を確認する。
結果、永遠亭に連れていく必要があった。私もあそこの者たちに礼を言う必要があった。あの薬は素晴らしく、デザストから受けた傷も治すほどの力があったからだ。


文「あれぇ!?ない!ない!ない!ない!何で!?ちゃんと撮ったのに!何で全部消えてるのォ!?」


ただ1人取り乱している烏天狗を除き、我々はチルノを連れ、永遠亭へ向かった。










エビルタイガー「どうしたゴース・アノウ?小手調べと言いながら大したことなかったな」

ゴース・アノウ「果たしてそうですかねぇ?世界はワンダーワールドと繋がりました」

ソウル「その通りだ。それにこの本の続きも……また書けばいい話だからな」 
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