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助けを求めた猫が幸せに

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第一章

 そうしてすぐにだ。獣医は五匹の子猫名前がないので調べると雄だった三匹はシンドバット、イスカンダル、ムーサー雌の二匹はタハミーネ、ファランギースと名付けた。彼等は治療を受けるとすぐに回復した。
「もう大丈夫だぞ」
「ニャ~~~」
「ミャ~~」
「ウニャ~~」
「ニャ~~ン」
「ニャオン」
 片目が閉じていた五匹の目も開いている、それで獣医は彼等の母猫のミーハにも言った。
「病院に連れて来た介があったな」
「ニャオン」
 ミーハも笑顔で応えた、そしてここで動物病院のスタッフ達が子猫達をそれぞれ引き取り獣医もミーハを引き取った。
 そして妊娠している猫アディーザと名付けられた彼女は。
「難産で帝王出産になったがな」
「大丈夫だったんだな」
「母猫も子猫達もな」
 院長に笑顔で話した。
「子猫は四匹いたがな」
「皆か」
「無事だった、だからな」 
 それでというのだ。
「安心していいぞ」
「それはよかった」
「皆白と黒でな」
 今度は毛色のことを話した。
「一匹雄で名前はアルスラーンにした」
「名前も付けたんだな」
「それで残る三匹の雌はカーチャー、シーラー、マーリーだ」
「その名前にしたんだな」
「しかし地域猫のままだな」
「それでもいいけれどな、折角頑張って出産して産まれたんだ」
 それならとだ、院長は獣医に話した。
「今うちには猫はいないしな」
「引き取るか?君が」
「そうする、実は個人的にも猫が好きだしな」
「それじゃあな」
「ああ、引き取らせてもらうよ」
 こう言ってだった、院長は母猫が帝王出産から回復して子猫達も二ヶ月近く経ってそうして身体がしっかりしてからだった。
 獣医から引き取った、そして猫の母子に言った。
「これからは一緒に暮らそうな」
「ニャ~~~」
「ナァ~~~」
「ニャ~~ン」
「ウニャア~~」
「ニャンニャン」
 猫達は彼に嬉しそうに鳴いて応えた、そうして院長の家に入って大事に飼われる様になった。
 院長は後にミーハと彼女の子供達もそれぞれの家で幸せに暮らしていると聞いた、それで周りに言った。
「この病院に来てよかった」
「それであの子達は救われましたね」
「皆は」
「そうなりましたね」
「そうなってよかった、アッラーの慈愛は猫にも及ぶんだ」
 それにより彼等は幸せになったと言うのだった、そしてモスクで満面の笑顔で礼拝もするのだった。


助けを求めた猫が幸せに   完


                  2021・7・21 
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