| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

子猫を産んで幸せに

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

 ミレナは仕事でフロリダ州ウェリントンに行く機会があった。そこで。
 八匹の猫がいた、グレーと白の八割れの猫と。
 グレーの猫が三匹、トラ猫が二匹、黒が一匹。黒と白の八割れの七匹の子猫達がいた。その八匹の猫達を見せてミレナが助っ人に来た施設の創設者であるカーメン=ワインバーグ眼鏡をかけた見事な金髪を持つ女性はこう言った。
「お母さんはローズっていうの
「ニャ~~~」 
 まずはグレーと白の八割れの猫から話した。
「グレーの子は全部雌でアイリス、チェリー、ピーチっていうの」
「ニャン」
「ニャンニャン」
「ニャオン」
「トラの子はどっちも雄でグレープ、レモンっていうの」
「ミャン」
「ミャオン」
 彼等のことも話した、カーメンはさらに言った。
「黒の子は雄、八割れの子は雌でそれぞれアップル、イベリスっていうの」
「ニャウン」
「ニャアン」
「この子達は飼育場で見付かってね」
「保護されてですか」
「妊娠していてここで子供を産んだの」
「皆俺が引き取るよ」
 明るい顔の茶色の髪と緑の大柄な青年が出て来た。
「その飼育場で働いているマキシモ=デミトフだよ」
「貴方が家族に迎えてくれるの」
「家族は皆納得してるしな」
「八匹共なのね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「この子達が落ち着いたら」
「そうしたら」
「ああ、家族に迎えるな。最初は俺も野良猫と思って餌をやってただけだったけれど」
「そうしているうちに」
「愛着が出て妊娠してるのがわかってな」
「ここになのね」
「連れて来たんだ、それで落ち着いたら」
 その時はというのだ。
「引き取るよ」
「じゃあ宜しくね」
「そうするな」
 デミトフは約束した、そして彼女が仕事を終えてカナダに帰ると暫くしてデミトフからメールで返事が来た。そこには八匹の猫達と家の中で幸せに暮らす彼とその一家の動画があった。ミレナはその動画を観てから仕事に入った、いい動画を観たと感じていたのでその動きは非常にいいものであった。そして生きもの達の為に励むのだった。


子猫を産んで幸せに   完


                 2021・7・18 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧