八条学園騒動記
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第六百二十二話 お茶だけでその五
「特に個性的な国の一つだから文化もね」
「これもなのね」
「かなり凄くて」
「茶道もその中にあるのね」
「そうよ、中国も茶道あるけれど」
蝉玉は中国人としても話した。
「中国のものとまた違ったよさがあるわね」
「ああ、中国の茶道も面白いわね」
七海は日本人として応えた。
「独特で」
「元々お茶の国だしね」
「中国はそうよね」
「今はコーヒーも飲むけれど」
「それでも第一はお茶よね」
「それで茶道も確立されて」
そしてというのだ。
「やってる人も多いけれど」
「お茶自体が違うしね」
「そうそう、お茶の種類は多いけれど」
それでもとだ、蝉玉も言った。
「日本の茶道のお茶はお抹茶でしょ」
「お抹茶がっていうのね」
「これまた独特で」
「それで茶器とか茶室も」
「まさに日本のね」
この国のというのだ。
「文化だって思えるわ」
「そうなのね」
「そこがまたいいのよ」
「いや、あの畳がいいよね」
スターリングは日本の家屋の特徴の一つであるこの敷きものの話もした、和風の家には欠かせないものの一つだ。
「如何にも日本って感じで」
「畳ってそんなにいいかしら」
「そうよね」
七海も彰子もスターリングの今の言葉には目を瞬かせて応えた。
「別にね」
「普通でしょ」
「これといって」
「珍しくないわね」
「連合全体でよくあるし」
「和風のお家でもね」
「だから本場だから」
スターリングはここでまた言った。
「それでだよ」
「そう言うの」
「特別な感じだって」
「そうだよ」
七海と彰子に答えた。
「他の国の人達にとってはね」
「他の国の人にとって日本はかなり独特な国っていうけれど」
菅は淡々とした口調で述べた。
「実際にそうなんだね」
「そうだよ」
「もうそれは否定しないわ」
スターリングも蝉玉も述べた。
「それはね」
「他の国の人だから言うよ」
「そうなんだね、言われたことを実感するよ」
「僕達も日本のことは知っていたよ」
「留学する前からね」
「そうだったけれど」
「留学してから再認識したわ」
二人で菅に話した。
「よくね」
「本当にそうなったよ」
「そうなんだね」
「兎に角日本はかなり独特な国なのね」
蝉玉はレモンティーを口にしつつ言った。
「言われている通り」
「お抹茶も茶道もだよ」
スターリングはすぐにこう返した。
「他の国にはない」
「そうしたものなのね」
「千利休さんも」
蝉玉は彼の話もした。
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