おぢばにおかえり

　その阿波野君がさらに言います。
「本当に」
「それでなの」
「はい、こっちも徹底的にします」
「嫌がることをなのね」
「それを調べて」
「本当に陰湿で執念深くて残忍ね」
　阿波野君のその一面を今はっきりと認識しました。
「そのうち痛い目に遭うわよ」
「だから余計にですか」
「その碌でもない癖性分なおしなさい」
　注意せずにいられませんでした。
「というか今回は練り合いなのよ」
「おみちのお話のし合いですね」
「それでその態度はないでしょ」
「それはそうですけれど」
「幾ら先輩が嫌いでもね」
「僕からしたら本当に悪い人ですから」
　先輩をあまり知らないのにこう言うこともどうか、でした。
「それで言います。何で自分が直接何かされた訳でない人にその人の友達だった人に付き合う名とまで言ったんですか」
「それは」
　先輩が答えました。
「その人を徹底的に追い詰める為に」
「圧力かけたんですね」
「そうだったの」
「悪意全開じゃないですか、まあそれで友達関係止めるなんて最初から友達じゃなかったって思いますけれどね」
　このことは私も同意でした、自分の都合が悪くなるから人を切り捨てるなんて最初から友達じゃないです。
「僕はそういう奴が一番嫌いですから」
「それで徹底的に攻撃するのね」
「生きてきたこと後悔させてやりますよ」
　持ち前の残忍さと陰湿さをここでも出す阿波野君でした。