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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百五話 ガルフォード、駆けるのことその四

「光になれえええええええええええええええええっ!!」
「むっ!?」
「キャンッ!?」
 ガルフォード達だけでなくパピィ達もだ。ツボを打たれた。
 それによってだ。彼等は。
 これまで以上にない速さになりだ。進めるようになった。それはまさに風だった。 
 その風になった彼等がだ。また華陀に言った。
「済まない、これならだ」
「ワオン!」
「いける、すぐに都に行ける!」
「ワオオオン!」
「そうだ、急ぐぞ!」
 華陀はこう彼等に返す。
「都に!」
「ああ。急ぐ!」
 まさにだ。そうすると応えてだ。
 ガルフォードは風になり進む。一路都に。
 そうして進みながらだ。彼等は。
 まただ。華陀に尋ねた。
「ところでだ」
「ワン」
「何だ?」
「今あんたは光になれと言ったな」
 華陀の針を繰り出す時の掛け声だ。
「あれはあの場合よかったのか?」
「何だ。何処かおかしいか?」
「光になれ、は病気を治す時だな」
「ああ、そうだ」
 それはその通りだとだ。華陀も答える。
「俺は医者だからな」
「ならこの場合は違うんじゃないのか?」
 ガルフォードは少し怪訝な顔になって華陀に言う。
「足を速くするんだからな」
「そういえばそうか?」
 ここまで言われてやっとそうかも知れないと考えだした華陀だった。
「そういえばな」
「そうだろう?この場合は何て言うべきか」
「ふむ、では風になれか」
「その方がいいんじゃないのか?」
 こう話すガルフォードだった。
「だったらな」
「それもそうだな」
「光に風か」
 ガルフォードはこのことに微笑んでだ。そのうえでだった。
「まさに正義だな」
「ああ。光に風は」
 その二つについてだ。華陀も話す。
「正義の象徴になるものだな」
「俺は病を倒す」
 ここでも医者である華陀だった。
「それが正義ならだ」
「まさに正義だな」
「この世の病も倒す」
 即ちだ。于吉達もだというのだ。
「そうするからな」
「ああ。それじゃあな」
「そうする」
 こうした話をしてだった。彼等は。
 都に突き進む。まさに風だった。
 その風が向かっている都では。今司馬尉は。
 苦い顔でだ。妹達にこんな話をしていた。
「本当はね。都でもね」
「邪魔をしていたいところでしたけれど」
「援軍を出すことに対して」
「理由や口実は幾らでも作られるわ」
 それはだとだ。しっかりと言う司馬尉だった。
「けれどそれでもね」
「今の状況じゃ」
「とても」
「流言蜚語も流せないわ」
 先に仕掛けたそれもだというのだ。
「あれも今では」
「確かに。これだと」
「どうしようもないわね」
「様子を見守るしかないわね」
 これが司馬尉の結論だった。
「私達はね」
「既に援軍を出す準備はできているわ」
「まさに全軍」
 曹操達がだ。それを進めているのだ。
「それに都の留守も固めようとしているし」
「隙がないわね」
「隙を作らない」
 司馬尉は妹達にこうも言った。
 
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