恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百五話 ガルフォード、駆けるのことその一
第百五話 ガルフォード、駆けるのこと
秦兄弟もだ。白装束の者達に囲まれていた。
だが二人はだ。その彼等に拳を振るいだ。
次々に倒していく。そうしてだ。
共にいて戦っているガルフォードにだ。こう言うのだった。
「今のうちにだ」
「行って下さい」
「それでだな」
ガルフォードはプラズマブレードを放ちながら二人に言う。
「都まで行って」
「皆を呼んできてくれ」
「手筈通りに」
「わかった」
ガルフォードは二人の言葉に応えた。そうしてだった。
すぐにだ。
傍らにいるパピィ達にだ。こう声をかけた。
「じゃあパピィ、行くか」
「ワオン」
パピィが応えてだった。すぐにだ。
足下に煙玉を投げて。その煙と共に消えてだった。
都に向かう。それを見てだ。
秦兄弟はそれぞれ言うのだった。
「ではな」
「後はあの人にお任せしましょう」
二人は背中合わせになりだ。互いを護りながら話す。
「あの人ならいけるだろうしな」
「そうですね。色々とあっても」
ガルフォードを信頼していた。だからこそ言えることだった。
そうしてだ。彼等は今は戦うのだった。
だが都でだ。その動きは。
闇に浮かぶ水晶玉に映っていた。その水晶玉を見ながら。
于吉がこう言うのだった。
「予想通りですね」
「そうか、あの忍者が動いたか」
「はい」
そうだとだ。左慈に話す。
「そしてです」
「都に向かっているな」
「援軍を頼む為に」
「それで援軍は間に合いそうか?」
于吉から少し離れた場所、水晶玉は見ていないが彼を見てだ。左慈は尋ねた。
「それは」
「間に合いますね」
于吉はこう左慈に答えた。
「やはり忍者は早いです」
「そうか。間に合うか」
「都の方でも想定しているのか」
「出陣準備を整えているな」
「彼が都に辿り着けば」
于吉は水晶玉に映るガルフォードを見ながら言う。見れば彼は山道をパピィ達と共に駆けている。その速さはまさに青い稲妻だ。
左右の木々を潜り抜け駆ける彼を見てだ。于吉は話すのだった。
「すぐに山に来ますね」
「このまま行かせるか?」
「いえ」
于吉は微笑んで左慈に話した。
「それは有り得ません」
「そうだな。それではか」
「今彼を止められるのは」
誰かというと。
「あの方々に行ってもらいましょう」
「ミヅキか?」
「もう一人です」
いるというのだ。
「刹那さんですね」
「二人がかりか」
「一人なら振り切られます」
そのことも想定して話す于吉だった。
「ですからここはです」
「刹那にも行ってもらうか」
「二人なら問題ありません」
また言うのだった。
「仕留められないまでも足止めをしてくれます」
「足止めをしてくれるのならな」
「それで万事解決です」
彼等にとってはだ。そうだというのだ。
「ですから。そうしましょう」
「わかった。では司馬尉にも伝えるか」
「そうします」
司馬尉に伝えるのは確実に行うというのだ。
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