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それから 本町絢と水島基は  結末

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10-⑸

 5月の連休に、富美子ちゃんと結局、動物園に行くことになった。朝、迎えに行くと、やっぱり店で待っていて、飛び出してきた。

 白いサロペットの短パンに野球帽をかぶって、長い脚が伸びている。又、背が伸びたみたいだった。駅前まで行って、乗り換えて、近くの駅から少し歩く。富美子ちゃんは、僕の腕を抱えるように掴まえてきた。去年とは違って、胸も大きくなっているようだ。

 中に入って、園内を見て周ったが、動物には、あんまり興味が無かったみたいだ。僕も、動物には興味がない。1時間位で全部見終わって、広場に行って、お昼を食べることにした。

「先生 これ 全部、私が作ったんだよ おいしいかな」

 ゴマ塩のおにぎりの真ん中に鮭のフレークとか佃煮みたいなものがハート型に載っている。あとは、アスパラをベーコンで巻いたもの、豚肉の照焼、トマトとか、茹で卵を半分に切って、こちらもマヨネーズを小さくハートにしてあった。

「おいしそうだね 富美子ちやん、頑張ってくれたんだ」

「うん 楽しみにしてたからね 頑張った 先生、食べてよー」

「おいしいよ ゴマ塩の加減もちょうど良い」おにぎりは、この子のは、三角だった。

「この頃ね お弁当、自分で作るようにしてるんだ お兄ちゃんの分も 私は、お弁当小さくてね おにぎり2コ位でいいんだけど、お兄ちゃんのが、大変なんだぁ 注文も多いし、お弁当箱大きいし」

「だろうな、食べ盛りだし、サッカー始めたて言ってたから でも、えらいね 富美子ちゃん いいお嫁さんになるね」

「そうかな 先生がお嫁さんにしてくれたら良いのにね」

「それはね だめ 僕は、好きな人が居るから 勿論、富美子ちゃんも好きだよ でも、結婚するとなると、少し、違う わかるよね」

「うーん わかんない でも、いいんだぁー 先生に彼女いるの知っているから 先生 クラスの男の子って、なんで、バカばっかりなんだろうね 頭は良い子ばっかりのはずなんだけどね お前は今、生理だろうとか 体操の時に、あるんかって胸触ってきたりして もっと大きい子触ればいいのに 先生もそんなだった?」

「僕は、男子校だったからなぁ そういうの無かった でも、富美子ちやん可愛いから、構いたいんだよ」

「そーいう風にちょっかい出してくんのって、嫌なんだよなぁ 先生だったら、触られても平気なんだけどね 不思議だね」と、チョロっと舌を出していた。

「からかうんじゃぁない」と、富美子の帽子を押さえていた。

 
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