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異生神妖魔学園

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1学期
  教室間違えるってのはよくあることさ

???「ヤッベー!!今日入学式昼からあるからって……寝過ごしちゃったよー!!ヤバイ!マジでヤバイ!」


春休みの終わる今日この頃。1人の妖狐の少女が顔を真っ赤にしながら慌てふためくように走っていた。
その少女の名は『出雲(いずも) 紺子(こんこ)』。カバンを持ち、女学生のような服を着ていることから、きっと彼女はどこかの学園の生徒なのだろう。


紺子「チクショー、カズミンめ!『昼前には起こして』って約束すっぽかしやがって!!あいつ何年私ん家に居候してると思ってんだよ!?後で見つけたらたっぷりボコボコにしてやるからなあの野郎!」


そんな悪態をつきながらも全力で走っていた。
だが顔を真っ赤にしながら走っている訳はそれだけではない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


紺子(ボタンはなんとか間に合うけど…リボンは着いたら結ぶか)


紺子は走りながらボタンが外れているレディースに目をやると、そのまま留め始めた。
ところがボタンは6つあり、紺子は半分しか留めず、残りは腹の部分。いわゆる『へそ出しルック』という状態だった。学園に入学した頃からずっとそうで、よく周りから『服装を整えろ』『腹を隠せ』などと言われ続けてきた。
だが紺子はこのスタイルを気に入っているのか聞く耳を持たず、入学した頃からずっとそうしてきた。


紺子「………よし、できた!あとは全力ダッシュだ!!」


歯を食い縛り、先ほどから早めている足をさらに早め、大量の汗を流しながら学園へ向かっていった。















紺子が家を出て約15分、彼女はようやく自分の通う学園が見え、校門も見えてきた。





【異生神妖魔学園】





異生神妖魔学園とは様々な種類の妖怪や神々が通う学園。紺子のような妖狐だってもちろんいる。そして西洋の怪物もだ。
学園の名前の意味はこうなっている。



異なる
生き方をする
神々や
妖怪や
魔物が
学ぶための
(その)



人呼んで『異生神妖魔学園』。紺子たちのような人外しか通えないため、人間は一切いないのだ。いや、『侵入した者は排除される』と言った方が正しいか。


紺子「チャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよ~~!!」


オウムのように「チャイム鳴るなよ」を繰り返し、校門へまっしぐら。紺子は血走った目をしながら校門を風のようにくぐり抜けた。



ガォンッ!!










ちょうど同じ頃、校門の前に警備員らしき男がいたのだが、紺子の風圧を受けて壁に押しつけられたところだった。


???「やれやれ、またあいつか…もう声でわかったわ。今日も服装乱れてやがる…また反省文書かれるんだろうなぁ、出雲」


いや、男の服装は警備員とは言いがたい服装だった。
買い替えた方がいいんじゃないかと言われるくらいあまりにもボロボロな黒いローブを身に纏い、顔が見えるか見えないかぐらいの辺りまでフードを深く被っている。
その姿からして、まさに死神だ。


死神?「まっ、警備員の俺には関係ないがな」















紺子「うおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!」


校舎に紺子の雄叫びが響き渡り、全力で走り、全力で自分の教室を探し、全力で見つけ、全力で入り、全力で席に着いた。


紺子「ゼェ……ゼェ……ヒュー……ヒュー……」

???「紺子ちゃ~んあなたもう2年でしょ~」

紺子「あぁ?ゼェ…何だよお前…………」


荒い息遣いをしながら見ると、黒髪黒目で背の小さい少女が入ってきた。


???「春休みだったから忘れてるのも無理ないよね~。クラス札見ればすぐにわかるよ~」

紺子「めんどくせぇな…何が起きてんだ?じゃねぇや、どうなってんだ?」


紺子がだるそうに教室のクラス札を見ると、そこにはこうあった。



【1年教室】



紺子「………………………」


紺子は無言で教室とクラス札をしばらく見合わせるが、何かおかしいことに気づいた。
そういえばここの教室空っぽだよな?でも今日は確かに入学式。新しい生徒が入ってきて………………。


紺子「ん?新しい生徒?」


ふと黒板を見ると、1枚の張り紙があった。その張り紙を見ると、なんと。










紺子「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーっっ!!!私の名前がねぇーっ!!クラスの名前もねぇーっ!!」

???「もう遅いよ~あと30秒でチャイム鳴るよ~それじゃお先に~」

紺子「何でもっと早く気づかなかったんだよ~!ダメだ終わった!初日から遅刻確定!反省文確定!!」


少女はすでに去っており、紺子は半ベソをかきながらカバンを持つと、滑って転びそうになりながらも2年教室まで全力で走っていった。


紺子「カズミ~~~ン!!!!テメェのせいだぞあのアホ九尾~~~~~~~~!!!!」


またしても校舎に紺子の雄叫びが響き渡った。寝坊する紺子も悪いんだけどね。 
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