八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十話 飲み終えてその十
「それでな」
「復讐鬼の末路はいいものじゃないね」
「そうさ、自分を憐れんだ時と同じだよ」
「その時はもう無間地獄で」
「復讐鬼も一緒だよ」
「末路はいいものじゃない」
「まず確実にな」
僕に真剣な顔のまま話してくれた。
「そういうものだよ」
「それでそのことをだね」
「覚えておいてくれよ」
「これから僕がいい人生を送る為に」
「ああ、自分の子供がどうでもいいとか悪い人生送れとかな」
「親の思うことじゃないんだね」
「そうだよ」
今度は絶対にという言葉だった。
「そのことはな」
「子供なら幸せにだね」
「これは多分な」
「多分?」
「人間だけじゃなくてな」
「ああ、ペットもだね」
「ペットを自分の子供って言う人もいるな」
僕に顔を向けて話してくれた。
「俺は子供の頃は犬いて弟って思っていたけれどな」
「そうだったんだ」
「柴犬でな、十八年生きたぜ」
「僕は生まれる前のことだね」
「最後は爺さんだったけれどな」
その犬のことを笑って話してくれた。
「いい奴だったぜ、けれど犬だってな」
「子供として迎えて飼っていたら」
「やっぱりな」
その時はというのだ。
「子供だって思うんだろうな」
「そうなんだね」
「だからそれでいらなくなったとか言って捨てる奴はな」
「最初からそう思っていなかったんだね」
「それで自分の子供とか言った相手を捨てる様な奴はな」
「信用するなだね」
「ああ、絶対にな」
それこそというのだ。
「自分の子供捨てるならもう誰だってな」
「捨てるんだね」
「家族でも友達でもな」
「自分に都合が悪くなったら」
「捨てるさ、そんな奴とは関わらないことだよ」
こう僕に話した。
「最初からな」
「そのことも絶対だね」
「ああ、それで普通の人はな」
「子供ならだね」
「いい人生送って欲しいものだよ」
そう思うというのだ。
「本当にな」
「そういうものなんだね」
「親はな、だからお前もな」
「いい人生送ることだね」
「絶対にな」
僕をじっと見て話してくれた。
「そうしろよ」
「そうするね」
「ああ、そこは頼むな」
「それでその為にも」
「今日俺が言ったこともな」
飲んでから今に至るまでだ。
「覚えておいてくれよ」
「そうするね」
「そういうことでな、じゃあ明日俺はな」
「大阪でだね」
「母さんと楽しんでくるな」
「そうしてきてね、たこ焼きもお好み焼きも」
そういった大阪名物をだ。
「楽しんできてね」
「そうするな、串カツで飲んでな」
こちらも忘れていなかった。
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