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夢幻水滸伝

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第二百三話 バンコクからその八

 最初は街に下りようと思っていたが山賊達に遭遇し彼等に襲われ返り討ちにすると彼等はコープチッティのあまりもの強さに心服し従うことを誓った、そうして。
 山賊の頭になり彼は言った。
「善人からは奪わん」
「そうするんですか」
「これからは」
「いい人からはですか」
「善人は苦しめんで悪人を苦しめる」
 コープチッティは山のアジトの中で堂々と言った。
「それが筋や」
「それで、ですか」
「これからは善人は襲わないで」
「そうしてですか」
「暮らしていきますか」
「そうしていくで、あとこの近くの山賊達はな」
 その者達の話もした。
「どんどん攻めていくで」
「他の山にも行って」
「そうしてですか」
「成敗していきますか」
「そうしてチェンマイの辺りの山賊は全部わしの手中に収めたい」 
 手下となった彼等にこうも話した。
「ええな」
「そして善人からは奪わない」
「悪人から奪う」
「そうしていきますか」
「あとここには捕まえた人はおらんが」
 それでもというのだ。
「近くの民が捕まえられていてこき使われていたらな」
「釈放してですか」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「住んでいる場所に返しますか」
「そうするで、山賊でも道に曲がったことはしたらあかん」
 コープチッティの声は強いものだった。
「そやからな」
「では自分達のことは自分で、ですね」
「これからは」
「そうしていきますね」
「その通りや、奴隷はあかんからな」
 若しくはそうした境遇にいる者達の存在はというのだ。
「そうしてくで」
「わかりました」
「頭がそう言われるなら」
「わし等は頭に従います」
「心服しましたさかい」
「ほなな」
 それでいくと言って実際にだった。
 コープチッティは山に入った普通の旅人や狩人には手出しをさせず他の山賊の一団を攻めて下しかつ山にいる獣やモンスター達を成敗し。
 忽ちチェンマイ近郊の山賊達の頭になった、するとだった。
 その話を聞いたチェンマイの者達が彼のところに来て言ってきた。
「噂では星の方と聞いていますが」
「まことでしょうか」
「この世界を救って下さるという」
「それは本当でしょうか」
「それでチェンマイ近くの山賊達の頭となられ」
「かつ非道はせずと」
「星のモンなのは確かや」
 コープチッティはこのことから答えた。
「実際にな、それで悪いこともな」
「されてないですね」
「左様ですね」
「そうですね」
「そや、それでそれが何かあるか」
 チェンマイの者達に質問を返した。
「一体」
「あの、よければです」
「チェンマイに来てくれますか」
「そして街を治めてくれますか」
「そうしてくれますか」
「最初はな」
 コープチッティはチェンマイの者達の言葉にこう返した。 
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