麗しのヴァンパイア
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第三百五十八話
第三百五十八話 ワインと読書
カーミラの読書は進んだ、三時間程読みそうして最初から読んでいたライトノベルを置いてこう言った。
「今日はここまでにするわ」
「読破はされていないですね」
「それはまだですね」
「明日また読むわ」
使い魔達に笑顔で答えた。
「そうするわ」
「そうしてですね」
「楽しまれますね」
「そうされますね」
「そうするわ、それとね」
ワイン、二本目のそれを飲みつつ言った。
「残りのワインはね」
「全て飲まれますね」
「いつも通りそうされますね」
「今宵も」
「そうするわ。空けたボトルは飲み干すわ」
残すことなくというのだ。
「私はいつもそうしているわね」
「はい、残すことはありません」
「ご主人様はいつも飲まれます」
「そうされます」
「だからね」
それでというのだ。
「今のワインもよ」
「全て飲まれますね」
「では下げません」
「ですがおつまみはどうされますか」
使い魔達は皿の上のチーズやクラッカー、サラミ等を見て主に問うた。
「そちらは」
「最後まで召し上がられますか」
「それとも残されますか」
「もういいわ。明日にするわ」
これがカーミラの返事だった。
「そうするわ」
「わかりました、ではです」
「そちらはお下げします」
「そうします」
「ではワインはそのままにしますので」
「最後まで飲むわ。それと今日のおやつは」
そちらの話もした。
「タルトがいいわ、さくらんぼね」
「ではそちらもお出しします」
「時間になれば」
「そうさせて頂きます」
「そうしてね。しかし本を読みながらワインを飲む」
カーミラは微笑んで言った。
「これは最高の時間ね」
「読書と酒を同時に楽しむ」
「このことはですね」
「本当にいいわ」
こう言いつつワインの残りを飲んだ、そうしてその後でタルトを食べて今度はまた音楽を聴くのだった。
第三百五十八話 完
2021・4・8
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