八条学園騒動記
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第六百十八話 チョコレートも食べてその三
「私が最も落ち着ける時です」
「左様ですね」
「今のお家もいいですが」
今現在住んでいるシヴァ家の日本での別荘である、そこもまた宮殿の様な巨大さで多くの使用人と生きもの達がいる。
「しかし一番は」
「あちらですね」
「私が生まれ育った」
「左様ですね」
「連合が幾ら豊かで先進的でも」
そのことは事実でもというのだ。
「この国ではです」
「中々ですね」
「落ち着けません」
「国が違いますと」
ラメダスも語った。
「やはりです」
「何かとですね」
「違うので」
「生まれ育った場所ではないので」
「最初から慣れ親しんでいることは重要です」
「そうですね、私はマウリア人なので」
このことが最も重要だとだ、セーラは語った。
「どうしてもです」
「マウリアに最も慣れ親しんでいるので」
「そちらが最も落ち着きます」
「やはりそうですね」
「はい、ただ」
「ただといいますと」
「連合の便利さは素晴らしいですね」
セーラは微笑んでこのことは認めた。
「私が使える魔法よりも遥かに高度な魔法に包まれた様な」
「文明の進歩があまりにも凄くて」
「三百年も違いますので」
文明のレベル、それがだ。
「ですから」
「全く違っていて」
「その便利さはです」
「魔法よりもですね」
「素晴らしいです、あまりにも進歩した科学は何か」
セーラはかつて出たこの言葉も出した。
「魔法と変わらない」
「かつて言われた言葉でしたね」
「そもそも科学と魔法、錬金術はかつては同じでした」
「その区分はほぼなかったですね」
「そうでした」
このことはおよそ十八世紀までだった、特に欧州ではその区分が曖昧でニュートンも錬金術に没頭していた。
「そのことも考慮しますと」
「科学の進歩が魔法を思わせることも」
「当然でしょう、魔法に包まれた国と言えば」
連合をというのだ。
「そう思えます」
「そこまで進歩していますね」
「そのことは素晴らしいです」
非常にというのだ。
「連合は」
「そして総生産もですね」
ベッキーは政治の話をした。
「我がマウリアと比べますと」
「一人当たり七倍半の違いがありますね」
「その違いは大きいです」
「まさに豊かさの違いです」
「そうですね」
「スラム街の人達も」
連合にもそうした地域がありそこに住む人達もいるのだ。
「立派なお家で」
「持っている服も多く」
「車もです」
「いいものですね」
「そしてお食事も」
セーラはこちらの話もした。
「非常にです」
「素晴らしいですね」
「はい」
まさにというのだ。
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