八条学園騒動記

　　　　　　　チョコレートも食べて
　セーラはラメダス、ベッキーを連れて文化祭が行われている学園の中を歩いていた。そしてだった。
　セーラは目の前にある出店を見て二人に言った。
「今度はです」
「あのお店ですね」
「あちらにですね」
「行って」　
　そうしてというのだ。
「召し上がりましょう」
「あれはチョコバナナですね」
　ラメダスはその店を見て行った。
「それが売られていますね」
「連合のお菓子ですね」
「はい」
　チョコバナナもというのだ。
「左様です」
「連合は本当にお菓子が多いですね」
「食文化も豊かなだけに」
　それ故にというのだ。
「お菓子もです」
「多いですね」
「しかもです」
　多いだけでなくというのだ。
「味もです」
「いいですね」
「左様ですね」
「ではです」
　セーラはにこりと笑って述べた。
「そのです」
「チョコバナナもですね」
「楽しみましょう」
　こうラメダスに述べた。
「三人で」
「それでは」
「そうしましょう」
　二人でラメダスに応えた、そしてだった。
　三人でチョコバナナの店に行って食べた、そうするとセーラは一口食べてすぐにこんなことを言った。
「まずはです」
「まずは？」
「まずはといいますと」
「連合のこの寛容さに思います」　
　こう言うのだった。
「この国は誰でもものを立って食べられますね」
「はい、そうですね」
「例え大統領でもです」
「普通に立って食べられます」
「出店で」
「立場のある人でもそう出来て」　
　そしてというのだ。
「私もです」
「マウリアではこうはいきませんね」
　ベッキーが応えた。
「とても」
「そうですね」
「はい、それはです」
「私はマハラジャの家の生まれで」
「そちらで育っておられて」
「そこにいますので」
　だからだというのだ。
「ですから」
「マウリアにおいては」
「食事は常にです」
「畏まったお部屋で、ですね」
「確かなお料理をです」
「的確なマナーによって」
「そうして食べねばなりません」　
　マウリアにいると、というのだ。
「そしてそれはです」
「エウロパでもですね」
「はい」
　まさにというのだ。
「あちらでもです」
「立場がありますと」
「出店で食べるなぞ」
　出店で売られているものを立ったままというのだ。