夢幻水滸伝
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第二百二話 リーの切り札その十一
「凄い神具やな」
「一つ一つでも凄いけどな」
「それが十あるからな」
「余計にやな」
「凄いわ、どないしたもんか」
「そう言う自分も凄いけどな」
リーはリーでロシティーに言った。
「その音楽はな」
「凄いか」
「十絶陣やないと防ぐことは出来んし」
それにというのだ。
「精神攻撃への耐性があってもな」
「ダメージは受けるで」
「確実にな」
「そやからな」
「凄いか」
「かなりな、これはそうそう決着がつかんな」
「そう言うてもな」
ここでロシティーは自分とリーを見た、見れば。
自分は結構傷付き服も所々破損している、だが。
リーはほぼ無傷だ、それで言った。
「こっちがやられてる」
「そう言うか」
「天の星と神星の差が出てるわ」
まさにというのだ。
「これはな」
「そうか」
「このまま戦ってもな」
「負けるのは自分やっていうんやな」
「そや」
まさにというのだ。
「これはな、しかしな」
「そう簡単にやられるつもりはないな」
「最後まで戦う」
ロシティーはきっとした顔で決意を見せた。
「意地を見せる」
「そうするんやな」
「絶対にな」
まさにというのだ。
「最後まで粘る」
「そう思うか、しかしな」
「しかし?」
「この戦局でそう言えるか」
リーは笑っていなかった、目に強い光を宿らせてロシティーに問うた。
「一体」
「くっ・・・・・・」
ロシティーはその戦局を見た、見れば。
インドネシア軍はその八割程を失っていた、残る二割も国家連合の星の者達に攻められていた。その戦局を見てだった。
ロシティーは歯噛みした、そうして言った、
「こっちの負けか」
「見ての通りや」
「やっぱり星のモンの数の差か」
「そや、それでや」
まさにというのだ。
「この通りや」
「やっぱりそれが大きいか」
「星のモンの力は優に万の兵に匹敵する」
「それが何人もおって暴れるとこの通りや」
「そや、十万の兵に匹敵するっていうしな」
星の者の力はというのだ。
「それでや」
「この通りやな」
「そや」
まさにというのだ。
「今は我が軍が優勢や、自分が劣勢でな」
「軍勢もこの通りやとな」
「アユさんは互角みたいやが」
見れば空中でアルフィアンと互角に戦っている。
「しかしな」
「他がこうやとな」
「わかるな」
「降伏か」
ロシティーは苦い顔でこの言葉を出した。
「降伏したら民も兵も無事か」
「倒れた兵は復活させる」
リーは確かな声で約束した、見れば戦場には無数の魂魄が漂っている、その魂魄達の存在を把握しての言葉である。
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