仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第四百六十四話 キールでの邂逅その十三
「励ますんやったらな」
「歌なのね」
「そっちにしてくれ、ちなみにうちも歌には自信あるで」
ロキはマイクを取り出してこうも言った。
「熊野ちゃん達もそやけどかなり歌えるで」
「さて、今度はおらずら」
チャイコフスキーがカツラと腹巻を取って出て来た。
「ムジークを見せてやるずら」
「今度のムジークは何ですか?」
「エフゲニー=オネーギンずら」
こうアレクサンドラに答えた。
「心して聴くずら」
「それは楽しみですね」
ムジークの名前を聞いてアレクサンドラも笑顔になった。
「では早速」
「奏でるずら」
「それでは」
「ちなみにこの簾中には俺も何も言わない」
ここでディルクがまた言ってきた。
「一切な」
「それはやはり」
「言っても聞かない連中だからだ」
クラシカロイド達はとだ、ディルクはアレクサンドラに答えた。
「だからだ」
「そうですか」
「特にモーツァルトとだ」
「ベートーベンさんですね」
「ベートーベンは何をしてもいい」
ディルクは彼に関してはこう言い切った。
「別にな」
「それは魂の関係でしょうか」
「あれでいい」
ベートーベンはというのだ。
「むしろな」
「そうでないとですか」
「駄目だ」
ベートーベンはというのだ。
「思う存分して欲しい」
「私もアルベドさんや貴音さんには思いますが」
「しかしか」
「ディルクさんも魂を感じる人には」
「そこはそういうことだ」
「わかりました、言われてみますとベートーベンさんは」
アレクサンドラも言うことだった。
「やはり」
「下手に言うとだな」
「言っても聞かないですし」
「思う存分やってもらうといい」
「そうした人ですね」
「そうだ、クラシカロイドはあれでいい」
チャイコフスキーのエフゲニー=オネーギン、テノールのアリアの部分のそれだというムジークを聴きつつ述べた。
「むしろな」
「はい、それでは」
「俺達の訓練をしていくぞ」
「わかりました」
「あとあんたいい人だな」
ディルクはアレクサンドラ自身にも言った。
「随分とな」
「そうでしょうか」
「俺と違ってな」
それでというのだ。
「随分とな」
「嫌な人間だと思いますが」
「あえて厳しくしているだけだ」
その本質を見抜いている言葉だった。
「だからだ」
「私はですか」
「実はだ」
その本質はというのだ。
「そうした人間だな」
「はい、アレクサンドラさんは凄くいい人っす」
はじめは変身を解いている、それで右手を挙げて言ってきた。
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