八条学園騒動記
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第六百十七話 地獄の甘さその十二
「連合と他の国では」
「全く違いますか」
「これはカリーでもです」
「じゃあマハラジャタウンのカリーは」
「マウリアの料理ですが」
このことは事実だが、というのだ。
「しかし食材もキッチンも全て」
「連合のものですか」
「身に着けた技術も」
「そうですか」
「ですから味がです」
同じカリーだが、というのだ。
「どうしてもです」
「違いますか」
「左様です」
ラメダスも店員にこう話した。
「これが」
「そこまで違いますか」
「わかりにくいですね」
「いえ、全然わかりません」
これが店員の返事だった。
「連合にいますと」
「やはりそうですね」
「連合の中で一つの世界で」
「他の国を見ることもですね」
「ほぼないですし」
「連合はそうした面が強いですね」
「他の国への関心は」
マウリアもそこに入る。
「これといってです」
「ないですか」
「はい」
実際にというのだ。
「エウロパは嫌いですが」
「敵だからですね」
「それでよく言われますが」
「悪いことだけで」
「他のことは」
「見ないです」
そのエウロパについてもというのだ。
「これといって」
「そしてマウリアやサハラは」
「もうです」
それこそというのだ。
「ほぼ関心の外で」
「それで、ですね」
「知らないです」
マウリアのこともというのだ。
「特に」
「そうですか」
「僕にしてもそうで」
「連合全体がですね」
「連合の中だけで」
「一つの世界ですね」
「三百以上の国がありますから」
だからだというのだ。
「それで中央政府もあって」
「中で色々とですね」
「ありまして」
それでというのだ。
「もうです」
「外にはですね」
「関心がいかないです」
そうしたお国柄だというのだ。
「連合は」
「だから食べもののことも」
「知らなかったです」
「そうですか、ですがマウリアのアイスは」
「こうしたですね」
「極端に甘いですが」
連合のアイスを食べつつ話した。
「全体的に見まして」
「連合のアイスの方が遥かに美味しいです」
ベッキーも言ってきた。
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