八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十七話 日本にいることその十
「最後まで傾いていたね」
「物凄く強くてもな」
「風来だったね」
「ああ、ああした人にな」
「親父はなりたいんだ」
「傾いていてもな」
それでもというのだ。
「人の筋は守ってるな」
「そうした人になりたいんだ」
「ああ、暴力を振るわないでな」
「人の道は外れない」
「そんな人にな」
「それで麻薬とかもやらないんだね」
「あんなのしようと思ったことないさ」
一度もという返事だった。
「それこそな」
「あれは洒落になっていないからね」
「ああ、今日も言っただろ」
「心も身体もボロボロになるから」
「絶対にだよ」
「そうした考えだね」
「というか俺は煙草も吸わないな」
実は親父はそちらもしない。
「一本も吸ったことはないからら」
「そうなんだね」
「酒は好きでもな」
それでもだ、親父は。
「煙草はな」
「吸わないんだね」
「あれは何か好きになれなくてな」
「吸ってる姿が恰好いいとかは」
「考えたことないな、今話したろくでなしの長男さん吸ってただろ」
「あっ、そういえば」
言われたらそうだった、大飯喰らいそれも人の家に上がり込んでのそれだったけれど人の家でも灰皿を出させて吸っていた。
「そうだったね」
「その親御さんもな」
「甘やかした母親の人だね」
「ああした人達が下品に吸ってるのガキの頃見てな」
「吸わない様になったんだ」
「ああ、こんな人達が吸ってるのならって思ってな」
それでというのだ。
「吸ったことがないんだよ」
「そういうことなんだね」
「ああ、それでギャンブルもな」
こちらもというのだ。
「家族も巻き込む馬鹿いるだろ」
「いるね、借金作って」
「そういう奴の話を聞いて」
「しないって決めて」
「今もってこそさ、トランプもルーレットもな」
「カジノも行かないんだね」
「ラスベガスじゃお姉ちゃんと酒だ」
この二つだというのだ。
「楽しむのはな、あとショーもな」
「観てだね」
「楽しむけれどな」
それでもというのだ。
「ギャンブルはな」
「一切だね」
「しないんだよ、というか俺はな」
親父はというのだ。
「ギャンブルは面白いとはな」
「思わないんだね」
「全くな」
「昔はやってなかった?」
「ああ、ほんのちょっとやってみてな」
「親父強いと思うけれど」
「強くても弱くても酒飲んだりお姉ちゃんと遊ぶ金使ってまでな」
ある意味親父らしい返事だった。
「やるものだとはな」
「思えなかったんだ」
「だからな」
「すぐに止めたんだ」
「ああ、それやるならな」
ギャンブル、それをというのだ。
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