彼女は軍師
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第三章
「入る方がいいわ」
「そう言うね」
「身体が温まって腰や膝や肩にもいいから」
「腰痛や肩凝りにも」
「いつも健康に働きたいなら」
それならというのだ。
「何処も痛くなかったらいいから」
「だからだね」
「出来たらお風呂に入って」
「そうしたことも解決することだね」
「そう、そして」
ともよはさらに話した。
「働いていきましょう」
「そうさせてもらうよ、僕体臭が気になってるし」
汗をかく体質でしかも学生時代臭いと言われたことがある、だからそうしたことには気をつけているのだ。
「それじゃあね」
「ええ、お風呂も入って」
「そうしていくよ」
「私も入るし」
そのお風呂にというのだ。
「健康には気をつけて」
「やっていこう」
「一緒に」
ともよは八宝菜、自分が作った大蒜と生姜も入れたそれをご飯のおかずにして食べながら龍造寺と一緒に過ごした。そしてだった。
龍造寺はある日店に明らかに柄の悪い男達が入る様になっていて眉を顰めさせた。それでともよに尋ねた。
「最近来る人達の中でね」
「ヤクザ屋さんがいるわね」
「どう見てもそうだよね」
「ええ、間違いないわ」
「今のところ問題は起こしていないけれど」
「ヤクザ屋さんがお店に来ると」
どうかとだ、ともよは自分から言った。
「どうしてもね」
「他のお客さんの足が遠のくね」
「ええ、繁華街には付きものだけれど」
ヤクザ屋さん達がいるというのだ。
「けれどお店にはね」
「出来るだけ来て欲しくないね、けれど」
「来るなとはね」
「中々言えないしな」
「言えば恨まれるわ」
そのヤクザ屋さん達にだ。
「ヤクザ屋さんに恨まれるとね」
「正直厄介だしね」
「それにヤクザ屋さんもお客さんだから」
「お客さんが迷惑かけていない間は」
それならというのだ。
「来るなとは言えないね」
「お客さんの差別は駄目よ」
ともよもそれは言った。
「絶対に」
「例え何があっても」
「そう、それもお店の評判につながるから」
例え相手がヤクザ屋さんでも客を差別すればというのだ、問題を起こしていない客を問題視してはだ。
「だからね」
「来るなとは言えないな」
「けれど方法はあるわ」
ともよは龍造寺に微笑んで述べた。
「しっかりとね」
「しっかりと?」
「そう、あるわ」
こう言うのだった。
「だから安心して、ヤクザ屋さんの足が遠のくかそうでないとお店の中では静かになる」
「その方法は一体」
「それは」
ともよはその方法を話した、龍造寺は彼女の言葉に思わず膝を打った、そしてだった。
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