それから 本町絢と水島基は 結末
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2回生までは、ふたりとも出来るだけ、同じ講義を受けられるように、履修科目を選択しておいた。でも、受講中の席は、あんまり、べったりなのもと思い、前後に別れて、同じ学科の者同士で座っていることが多かった。
経済学の講義を終えて、私は同じ学科の 吉野茜ちゃんと歩いていると、後ろから
石本慎二が声をかけてきた。振り返ると、モト君ともう一人 竹川光喜の3人連れ
「絢ちゃん、お昼一緒に潮食堂行こうよ」
「ごめん、ウチ 私、あかねちゃんとお弁当持ってきてんねん」
僕は、最近、絢が、僕以外の人と話す時は、ウチというのを直そうとしているので、おかしくて、少し笑ってしまった。
「おぉー いいなぁ ウチ等にも作ってきてよ」と慎二がふざけ気味に言った。
「あっそうかぁー じゃあー 明日は君達3人の分も作って来るわ 毒入りの」と負けずに絢も返していた。
僕には、絢が今の大学生活を楽しんでいるようで、一緒の大学で本当に良かったと思っていた。
翌日、庭園の芝生に5人が、絢特製のお弁当を食べていた。サンドとドッグに玉子焼きとかベーコン巻きも、絢は5人分を作ってきたのだ。
「絢ちゃん、うまいよ こんな女の子が作ったもの食べるの初めてだし、感謝、感謝だよ なあ光喜 涙出るよな」
「うん うまい こんなの基はいつも食べてるのか いいなぁー」
確かにおいしかった。でも、僕は2回目なんだ。小学校の時の夏休み、ふたりで図書館で勉強してたころ。あれ以来だ、あの時から、絢と・・。
「ところで、吉川すずりの情報入った?」と慎二が絢に聞いていた。
「ウン 話はしたけど、彼氏のことなんか、いきなり聞かれへんやんか 自分で聞いてみればいいやん」
「そーなんだけど、知らないのに、いきなり話かけるのもなぁー 向こうは美人だし」
「あらー 目の前のかわいらしい子ふたりには遠慮なしに話すのに・・ ねぇー あかねちゃん」
絢も慎二には、ずけずけ言うようになっていた。
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