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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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  第28話 浄化の炎と融合(ユニゾン)

 
前書き
やっと、最新話を投稿できた……!(^◇^;)

そして、遂に……遂に、小説でやりたかった『アレ』が書けました!^_^

今回は少し長めですが、最新話よろしくお願いします^_^ 

 
ベルグモンの圧倒的な力の前にツナや炎真、そしてパートナーデジモン達が倒されてしまう中、唯一ベルグモンにダメージを与えられる勇真と、機動力として彼をサポートするバオハックモンが勇猛果敢に攻撃を仕掛ける。


超勇真「蒼破刃!!」

ベルグモン「ガアアアアアアッ!!?」

バオハックモン「いいぞ、勇真! もっと攻め込むんだ!」

超勇真「うん!」

ベルグモン「レザーウィング!! マスターオブダークネス!!」


勇真は大空と夜天の2つの炎を含んだ蒼破刃を連続で繰り出しながら、バオハックモンと共にベルグモンへ接近していき、対するベルグモンも負けじと技を放つが、勇真を乗せたバオハックモンがその攻撃を躱して行く。


炎真「凄い……ギルモン達の必殺技やツナ君のX BURNERさえ効かなかったのに、どうして勇真君の攻撃は……」

ツナ「! もしかして……」

炎真「ツナ君、何かわかったの?」

ツナ「うん……炎真、デジタルダンジョンで沙耶姉とイーラさんが説明してくれた夜天の炎の特性について覚えてる?」

炎真「え? う、うん、確か……」


先程までパートナーデジモン達の必殺技やツナのX BURNERさえ効かなかったベルグモンに対し、勇真の攻撃が効いていることに一同が疑問に思う中、ツナと炎真はデジタルダンジョンにてイーラと沙耶が夜天の炎について説明していた時の言葉を思い出す。


ーー 回想 ーー

イーラ『夜天の炎……性質的に大空の炎と似ていて、大空の炎とは光と影のような関係の死ぬ気の炎なの。炎の色は白銀色で、『融合』と『覚醒』の二つの性質を持つわ』
 
沙耶『夜天の炎は単体では他の属性の炎と比べて火力が弱いけど、他の属性の炎やその他のエネルギーと融合して使うことによって、その力を限界以上まで引き出して強大な力を発揮するの』
 
イーラ『特に大空の炎と霧の炎とは相性が良くて、霧の炎と融合することで精度の高い幻覚は勿論幻覚を実体化させることが可能よ。そして大空の炎と融合することによって浄化の炎となり、負のエネルギーに囚われた者達を浄化し、その者の心の荒ぶりを抑えて鎮める力を発揮するわ』

ーー 回想終了 ーー


『融合』と『覚醒』の二つの性質を持つ夜天の炎が大空の炎と融合することで浄化の炎となり、浄化の炎は負のエネルギーに囚われた者達を浄化し、その者の心の荒ぶりを抑えて鎮める力を発揮する。

つまり……


炎真「! そうか……勇真君は大空と夜天の2つの炎を持っていて、その2つが融合すると浄化の炎になる……!」

ツナ「うん……そして、浄化の炎は負のエネルギーに囚われた者達を浄化し、その者の心の荒ぶりを抑えて鎮める力を発揮する……デビモンがベルグモンに送った暗黒の力がデビモン自身の負の感情そのものだとするなら、浄化の炎はそれを浄化してベルグモンにダメージを与えているんだ」


大空と夜天の2つの属性の炎を持つ勇真は無意識の内にそれらを浄化の炎へと融合させ、ベルグモンの……デビモンの負の感情そのものである暗黒の力を少しずつ浄化していきながらダメージを与えてられているのだと、ツナは予想する。


ブイモン『それじゃあ、勇真君がベルグモンの暗黒の力を完全に浄化することが出来れば……!』

ツナ「うん、たぶんベルグモン……ダスクモンを元に戻せると思う……」


ヒーリングスロットの機能でデジヴァイス内に収納されたブイモンの問いに、ツナがそう答える。

因みにバオハックモン以外のパートナーデジモン達はダメージが酷いので、現在デジヴァイス内に収納されていた。


ツナ「だけど、それはあくまで勇真の体力がそれまで持てばの話だ」

ブイモン『え?』

ツナ「勇真は超死ぬ気モードになったばかりで、そんなに長く維持できるとは思えない……完全に浄化する前に、スタミナ切れになってしまったら流石にまずい……!」

ワームモン『そんな……!』


ツナの言う通り勇真はムシャモン戦で超死ぬ気モードを会得したばかりで、いくら勇真自身のポテンシャルが高いと言っても、常日頃からリボーンに鍛えられているツナや炎真とは違い、超死ぬ気モードを長く維持するのは無理で、いつスタミナ切れになってもおかしくないだろう。


マリア「それなら勇真が時間を稼いでくれている内に、何か打開策を立てないと……!」

ツナ「そうなんですけど、1番の問題は大空の炎と夜天の炎を融合させた浄化の炎でしかダメージを与えられないと言うこと……俺達の中で夜天属性の波動を持っているのは勇真以外だとアインスさんとはやてさんだけど、2人とも大空属性の波動を持っていない……」

炎真「かと言って、大空属性の波動を持つツナ君や奏さん、響さん、マリアさんも夜天属性の波動を持っていない……」

奏「くそっ、勇真以外に浄化の炎を使える人間がいないってことか!」

アンジュ「せめて、勇真のように大空と夜天の2つの属性を持つ人間があともう1人いたら……!」

響「ああもう! 何で大空の炎を持っている人と、夜天の炎を持っている人が別々に分かれちゃってるのかなぁ〜!? どっかのバトル漫画みたいに『2人の人間が合体』できたら良いのに〜!!」

アインス・はやて・なのは・フェイト『っ!』


打開策を考える中、響が何気なく言った『2人の人間が合体』と言うキーワードにアインスとはやて、なのは、フェイトが思い当たることがあるのか強く反応する。


未来「響……」

ツナ・炎真『響さん……』

セレナ「立花さん……」

切歌「そう思う気持ちはよくわかるデスけど……」

調「いくらなんでも人間同士の合体は無いかと……」

クリス「ったく! こんな状況で馬鹿言ってんじゃねえぞ、この馬鹿!」

響「うう、自分でも馬鹿なこと言ってるのは分かってるよ〜……」


ほとんどの面々が響の発言に苦笑したり、呆れたりし、響自身も自身が馬鹿な発言をしていることを自覚している中……


翼「いや、待て……立花が言う人間同士の合体に近いものを知っているような気がする」

アンジュ「奇遇ね、私も何か知っている気がするわ」

フェルト「そう言われてみると、私も心当たりが……」

アニュー「私も。何か凄い身近にあったような……」

ギンガ「誰かがそれをやっていたような記憶が……」

ツナ・炎真『え!? 心当たりあるんですか!?』

はやて「……炎真君やツナ君、セレナちゃん、あとルナマリアちゃんは知らないのは当然やけど、それ以外の皆は見たことがある筈や。人間同士の合体に近い事象ーー私のリインの『融合(ユニゾン)』を」

『え?……あああああああっ!!』


はやてのその言葉に、ツナ・炎真・セレナ・ルナマリア以外の面々は思い出したかのような声を上げる。

因みにだが、奏も生前はやてにリインとの融合(ユニゾン)を見せて貰ったことがあるので知っていた。


炎真「あ、あの、融合(ユニゾン)って何ですか?」

はやて「融合(ユニゾン)ちゅうのは、簡単に言うと魔導師と融合騎って呼ばれる存在がその名の通り融合してパワーアップすることや」

ツナ「アインスさん達の世界では、そんな合体みたいなことができるんですか!?」

アインス「ああ。そして、私と私の妹のリインは主はやての言う融合騎と言う存在だ。しかし……私は10年前に融合(ユニゾン)の力を失ってしまっている」

はやて「それに融合(ユニゾン)できるリインも元の世界におるし……そもそも融合(ユニゾン)自体、夜天の書と言う魔導書の主である私や、私の家族である守護騎士達にしかできへんし……」

炎真「そんな……」

ルナマリア「もう、勇真に任せるしか無いの……?」


融合(ユニゾン)と言う望みも失った今、最早勇真に任せるしか無いのかと諦めかける中……


ツナ「いや、そんなことは無い! こうなったら、大空の炎だけでベルグモンを浄化する!」

ボウッ!!


諦めない意志を示すツナは傷付いた体を押して立ち上がり、ハイパー化する。


炎真「ツナ君の言う通りだ! 諦めるのはまだ早い!」

ボウッ!!


炎真もツナ同様傷付いた体に鞭を打って立ち上がり、ハイパー化する。


超ツナ「炎真、サポートを頼む!」

超炎真「うん、任せて!」

超ツナ「行くぞ!」


ツナと炎真はベルグモンに向かって猛スピードで飛翔する。


マリア「待って、ツナ!」

奏「やめろ、炎真!」

響「2人ともボロボロなのに、無茶だよ!」

フェイト「ど、どうしよう、このままじゃツナ達がやられちゃうよ!?」

はやて「どうするも何も、今の私達にはもう……!」

なのは「魔法が使えれば……!」

アンジュ「シンフォギアさえ使えれば……!」


戦乙女達が己の無力さを悔やんでおり、その中でも……



アインス(私が……私がツナと融合(ユニゾン)できたら、浄化の炎が使えるかもしれないのに……私は、何故こうも不甲斐ないんだ……!?)


アインスは夜天の属性を持つ自身と、大空の属性を持つツナと融合(ユニゾン)できれば浄化の炎が使えるかもしれないのに、それができない自身の不甲斐なさに内心憤りを感じていた……その時。


?『君自身が何も出来ないと決め付けるのはまだ早いぞ、リインフォース・アインス』

アインス「……え?」


何処からか懐かしい声が聞こえ、アインスは辺りを見回すと……彼女以外のあらゆるものが、まるで時が止まったかのように静止していた。


アインス「これは、一体……!?」

?『少しばかり時間を止めさせて貰った。君と2人だけで話をしたくてな』

ボウッ!!

アインス「え!?」


アインスの目の前に突如橙色の炎ーー大空の炎が現れる。

そして、その炎の中から額に大空の炎を灯す金髪の男性が姿を現れ、アインスはその男性に見覚えがあった。


アインス「あ、貴方は、ジョット……!?」

ジョット『久しぶりだな、リインフォース・アインス。元気そうで何よりだ』


アインスにとって生涯忘れることができない命の恩人である、初代ボンゴレボスにしてツナの遠い先祖である男性ーージョットが再び自身の目の前に現れたことに、アインスは驚きを隠せなかった。


アインス「どうして、貴方がここに!? 貴方は亡くなられた筈じゃ……!」

ジョット『ああ、その通りだ。今の俺は肉体の無い意識だけの存在。そして、いつもはデー……いや、綱吉のリングの中にいる」

アインス「ツナのリングの中に……は! まさか……///」

ジョット『君が俺に恩を返したいと言うことも知っている。綱吉が言っていたように、俺も君が笑顔で大切な人達と共に幸せに生きていてくれたら、何も言うことは無いさ』

アインス「や、やっぱり、リングの中で私とツナの会話を聞いていたのですね!?///」

ジョット『フッ……盗み聞きして悪いとは思ったのだが、故人である俺が姿を現す訳にもいかなかったのでな』

アインス「まあ、それはそうですが……ん? ちょっと待ってください……まさかとは思いますが、私達がツナにやってしまった『アレ』は見ていませんよね!?///」

ジョット『……君達が綱吉に何をやったか見当は付くが、流石にそれを覗くような無粋な真似はしない』

アインス「見当付けられただけでも、十分恥ずかしいです!///」

ジョット『ふふふ、まあそう恥ずかしがるな。俺としては可愛い子孫である綱吉が君達に愛されているのを知れて嬉しい限りだ。意識だけの存在になった俺にとって、綱吉の成長を見ることが唯一の楽しみなんでな』

アインス「そんな若い見た目で年寄りみたいなこと言わないでください……正直、違和感が拭えません……///」

ジョット『それはお互い様だろ? 君も永く生きている身なのに、中身は可愛いらしい乙女だな』

アインス「あうう……///」


再会してから終始ジョットの天然っぷりに振り回されるアインスは、恥ずかしさで顔を真っ赤にしていた。


ジョット『さて、再会の喜びはここまでにしておいて……リインフォース・アインス、いやアインス。 君は融合(ユニゾン)を含めた能力のほとんどが失ったのだったな?』

アインス「え、ええ……実際に主達との融合(ユニゾン)はできませんし、貴方自身も10年前私の命を拾うだけで精一杯だったと言っていましたから……」

ジョット『すまない、あの時は少し言葉を濁してしまったが……君の融合(ユニゾン)の能力は失われていない』

アインス「………え?」

ジョット『正確に言うと俺が君に浴びせた炎の影響で、君の融合(ユニゾン)の性質が変化してしまい、君の主や守護騎士達を対象にした融合(ユニゾン)ができなくなってしまっただけなんだ』

アインス「ええええっ!?」


まさかの事実にアインスは衝撃を受けていた。

それもその筈、はやてや守護騎士達と融合(ユニゾン)できなくなったことから、融合(ユニゾン)の能力は失われたと思い込んでいたのだから。


アインス「そ、それが事実だとするなら、私は誰と融合(ユニゾン)できるんですか!?」

ジョット『それは……俺と同じ大空属性の波動を持ち、尚且つ俺と同じ『血』を持つ者だけが君と融合(ユニゾン)できる』

アインス「貴方と同じ大空属性の波動と血を持つ者……もしかして!」

ジョット『ああ、君の想像通り綱吉だけが君と融合(ユニゾン)できる』


ジョットは自身と同じ大空属性の波動と、ボンゴレの血ーーブラッド・オブ・ボンゴレを持つツナだけがアインスと融合(ユニゾン)できることをアインスに告げる。


アインス「ツナと融合(ユニゾン)できることがわかって嬉しいのですが、実際融合(ユニゾン)するにはどうすれば……?」

ジョット『君の持つ夜天のヴェルジネリングに死ぬ気の炎を灯すことができれば、後は感じるがままに融合(ユニゾン)できる』

アインス「私の夜天のヴェルジネリングに死ぬ気の炎を……ツナは覚悟を炎に変えるイメージで灯せると言っていましたが、実際やるとなると難しいですね……」


不安そうに言うアインスに、ジョットは……


ジョット『死ぬ気とは迷わないこと、悔いないこと、自分を信じること……己を迷わず信じ、君自身が望んでいることを、君自身のありままの想いをリングに強く込めれば灯せる筈だ』


アインスに死ぬ気の意味を教え、そうアドバイスする。


アインス「私自身が望んでいること……」


ジョットの言葉を受けたアインスは目を閉じ、夜天のヴェルジネリングに精神を集中し……


アインス(私は主はやてや大切な皆を守りたい。そして……ツナを支え、共に戦いたい!)


自身が今強く望んでいることを、自身のありのままの想いをリングに込めると……


ボウッ!!

アインス「! リングから炎が!」


夜天のヴェルジネリングから白銀色の炎ーー夜天の炎が灯される。

それと同時に……


ドクンッ……!

アインス「! 今のは……! 体内から魔力を感じる……!」


デジタルワールドにいる間、一度も感じられ無かった魔力が活性化し始めているのを感じていた。


ジョット『夜天の炎には『融合』の他に『覚醒』の特性あり、君が夜天の炎を灯したことによって体内に流れる夜天の炎の波動が今まで眠っていたリンカーコアを覚醒させ、魔力を活性化させているんだ』

アインス「そうか……これなら、私もツナと共に戦える!」

ジョット『ああ。綱吉の力になってやってくれ』

アインス「ええ……ありがとうございます、貴方には2度も助けられてしまいましたね」

ジョット『気にするな。可愛い子孫とその仲間達の為とは言え、今の俺にはこれぐらいしかできないからな』


アインスの感謝の言葉に、ジョットは大したことはしていないと言わんばかりにそう返す。

そんな中……


アインス「……あの、1つ聞いても良いですか?」

ジョット『? 何だ?』

アインス「10年前、何故貴方は儀式消滅しようとしていた私の命を救ってくれたのですか? 貴方から見れば、私は赤の他人の筈なのに……」


アインスは10年前からずっと疑問に思っていたこと……何故ジョットは自ら消滅しようとして自身の命を救ってくれたのかを聞く。

そんなアインスの問いに対してジョットは一瞬キョトンとするが……


ジョット『誰かを助けるのに理由なんていらないだろ?』

アインス「え?」

ジョット『まあ強いて言うなら……君を死なせてはいけないと言う、俺自身の直感に従ったまでさ』


飾り気の無い、柔らかな笑みを浮かべながらジョットはそう答える。

そんなジョットにアインスはクスリと笑みを漏らす。


アインス「ふふふ……やはり貴方はツナのご先祖様なんですね。貴方もツナも誰かを助けるのが当たり前だと思っている、優しい心を持っている」

ジョット『フッ、そう言われるのは素直に嬉しいな。だが綱吉は俺以上に優しく、皆からも好かれている。将来良い男になるのは間違いない』

アインス「ええ、私も同感です。そんな彼に私は……恋してしまったみたいですからね///」

ジョット『そうか……おっと、そろそろ時間切れの様だな』


ジョットがそう言うと、周りの風景が揺らぎ始める……停止していた時間が動き出していた。


ジョット『俺はこれで失礼させて貰う。綱吉のことを頼んだぞ』

アインス「はい……ありがとう、ジョット。貴方にまた会うことができて、良かった……」

ジョット『俺もだ……さらばだ、アインス』

アインス「さようなら、ジョット……」


別れの挨拶と同時にジョットの姿が消えるのだった。

そして……


超ツナ「Xカノン!!」

超炎真「グラビティマグナム!!」

超勇真「蒼破刃!!」

ベルグモン「ギャオオオオオオオオッ!!!」

アインス「っ!(時間が、動き出したのか……)」


停止していた時間が動き出し、ツナと炎真が勇真に加勢する形でベルグモンと交戦しているのが目に映るのだった。


アインス(魔力は……問題なく使えるな。さっきのは夢や幻では無かった様だな)


アインスは体内の魔力を感じ取るのと同時に、先程のジョットとの邂逅が夢や幻では無かったことを実感すると……


アインス(これなら、いける……!)


早速体内に溢れる魔力を練り上げ、自身の衣服を私服からチャイナドレスに近い形をした黒い騎士服『アークビショップ』へと変えるのだった。


なのは「! アインスさん!?」

フェイト「それって、騎士服なんじゃ……!?」

はやて「もしかして、魔力が使える様になったんか!?」

フェルト「いつの間に……!?」

アインス「主はやて、皆……話しておきたいことがあります」


アインスは一同に先程ジョットと出会ったこと、そしてこの状況を打開する為には自身とツナが融合(ユニゾン)する必要があることを説明する。


アニュー「私達の知らない間にそんなことが……」

ギンガ「時間が止まっていたなんて、全然気付きませんでした……」

はやて「私もジョットさんに会いたかったなぁ……10年前、アインスの命を救ってくれたお礼もあるし」

アインス「大丈夫ですよ、主。 主の気持ちはジョットに伝わっていると思いますので」

はやて「そんならええんやけど……それで、アインスはツナ君との融合(ユニゾン)を試すんやね?」

アインス「はい、私とツナが融合(ユニゾン)できれば浄化の炎が使用できる様になる筈です……何より私自身ツナの力になりたい」


アインスは自身の正直な気持ちをはやてに言う。

そんなアインスに、はやては……


はやて「そっか……ほんなら何も迷うことはあらへん! 自分がやりたいようにやっといで、アインス!」

アインス「主……はい!」


親指を立てながら、笑顔でアインスがツナと融合(ユニゾン)することを許可するのだった。

嬉しそうに微笑むアインスに、マリア・フェイト・フェルト・アニュー・クリス・アンジュ・セレナ……アインスと同様ツナに好意を寄せる者達が近づき、拳を前に出す。


フェイト「アインス……」

フェルト「私達の想いをアインスさんに託します」

アニュー「ツナ君のことをよろしくお願いします」

マリア「私達の分まで頼んだわよ」

アンジュ「しっかりツナをサポートするのよ」

クリス「ツナの足を引っ張りやがったら承知しねえからな!」

セレナ「アインスさん、頑張ってください!」

アインス「皆……ああ、任せてくれ!」


マリア達の想いにアインスも拳を前に出し、マリア達の拳とくっつけながら答える。

そこへ……


ルナマリア「あの、アインスさん……こんなことをお願いするのは、図々しいかもしれませんけど……どうか、ベルグモン……ううん、ダスクモンのことを助けてあげてください!」


ルナマリアがベルグモン……ダスクモンを助けてあげるよう、アインスに頭を下げて頼むのだった。


アインス「ああ、任せてくれ。ダスクモンが君のパートナーデジモンだとわかった以上、何がなんでも助けるよ」

ルナマリア「! あ、ありがとうございます!」


そう答えるアインスに、ルナマリアは感謝の言葉を述べるのだった。


アインス「では……行ってくる!」


アインスは飛翔魔法で空中へ移動し、ベルグモンと交戦しているツナ達の元へと飛翔して行く。


はやて「アインス……」

なのは「アインスさん……」

翼「……私達はファイル島のデジモン達を避難させているレオモン達を手伝おう。戦う力が無くても、それくらいはできる筈だ」

響「はい!」

切歌「了解デス!」

調「そうですね。ロップモン達の回復を待っている間、何もしないのは嫌ですし」

未来「そうだね」

アグモン(S)『姐御……すまねえ、俺達が不甲斐ないばかりに……』

奏「お前達は十分頑張ってくれたんだ、謝る必要は無いよ。暫く休んでくれ」

ギンガ「それじゃあ、行きましょう」


戦闘不能になったパートナーデジモン達の回復を待つ間、マリア達はファイル島のデジモン達を避難させているレオモン達の手伝いへ向かうのだった……
















一方、ベルグモンと交戦しているツナ・炎真・勇真達はと言うと……


超勇真「はあ、はあ、はあ……そ、蒼破刃……!!」


勇真が乱れた呼吸をしながら、ベルグモンに蒼破刃を放つが……


ベルグモン「ギャオオオオオオッ!!!」


ベルグモンは勇真の蒼破刃を受けても平気な様子で突撃して来る。


バオハックモン「勇真の攻撃が効かなくなっているぞ!?」

超炎真「まさか……!」

超勇真「はあ、はあ、はあ……体に力が……う……」

超ツナ「! 勇真!」


勇真は力なくバオハックモンの背中に倒れ込むと……


勇真「はあ、はあ、はあ……」


超死ぬ気モードが解けたのか額の炎が消え、フツノミタマノツルギから展開されていた光の刃も消えるのだった。


バオハックモン「勇真!!」

超ツナ「くっ、とうとう勇真のスタミナが尽きてしまったか!」

超炎真「バオハックモン! 後は僕達が何とかするから、勇真君を連れて安全な場所へ避難して!」

バオハックモン「しかし……! 2人とも後ろだ!」

超ツナ・超炎真『っ!』

ベルグモン「マスターオブダークネス!! レザーウィング!!」


ベルグモンがツナと炎真に向けて、2つの技を同時に放つ。


超ツナ「しまった!」

超炎真「避けられない……!」


回避が遅れてしまったツナと炎真は迫り来るベルグモンの攻撃の直撃を覚悟した……その時、ツナと炎真の目の前に複数の三角形の形をした魔法陣のようなものが現れ、2人をベルグモンの攻撃から守るのだった。


超ツナ「! これは……!」

超炎真「一体……!?」


ツナと炎真が自分達を守った正体不明の魔法陣に驚いていると……


アインス「ツナ、炎真、今の内に態勢を立て直んだ!」

超ツナ「アインス!?」

超炎真「アインスさん!?」


アインスが飛翔しながらやって来た。

彼女はベルカ式魔法陣を展開して相手の攻撃を防ぐシールドタイプの防御魔法ーー『パンツァーシルト』をツナと炎真の前に複数展開し、ベルグモンの攻撃を防いだのだ。


超ツナ「アインス、どうしてここに!? それに、その姿は……!?」

アインス「説明は後でする! 今は奴の攻撃の射線上から退避するんだ! 私のシールドもそう長く奴の攻撃を防げない!」

超炎真「は、はい!」

超ツナ「わ、わかった!」


ツナと炎真はアインスの言う通り、ベルグモンの攻撃の斜線上から退避する。

その後ベルグモンの攻撃がアインスが展開したシールドを破壊するが、斜線上に誰もいない為ベルグモンの攻撃は虚しく通り過ぎる。


ベルグモン「ギャオオオオオオッ!!!」


ベルグモンは退避するツナ・炎真・アインスの3人を追撃する。


超ツナ「すまないアインス、助かった」

アインス「気にするな。それよりもこの状況の打開策があるんだ。奴の攻撃を避けながら聞いてくれ」

超炎真「打開策?」

アインス「ああ、実は……」


追撃するベルグモンの攻撃を避けながら、アインスはツナと炎真に先程のジョットとの再会、そしてジョットの助言によってできた打開策について説明する。


超炎真「まさか、アインスさんとプリ……ジョットさんにそんな繋がりがあったなんて……」

超ツナ「……それで、俺ならアインスと融合(ユニゾン)できると言うのは本当なのか?」

アインス「確証は無いが、今はジョットの言葉を信じてやるしかない。だが……」

ベルグモン「ギャオオオオオオッ!!!」


ベルグモンは執拗にツナ達3人に攻撃を仕掛ける。


アインス「まずはベルグモンを一時的に大人しくさせないと、融合(ユニゾン)を試せない!」

超炎真「……それなら僕がベルグモンを足止めする! ツナ君とアインスさんはその間に融合(ユニゾン)を!」

超ツナ「炎真……わかった、頼む!」

超炎真「うん!」


ツナとアインスの融合(ユニゾン)が完了するまでの時間稼ぎとしてベルグモンの足止め役を買って出た炎真は、方向転換してベルグモンに向かって行く。


超炎真「全力で足止めする! ガイア、形態変化・Xモード(ガンビオ・フォルマ モード・イクス)!!」

ガイア「ヒヒーーーンッ!!」


炎真の指示を受けたガイアは鳴き声と共に姿を変えて行き……


超炎真「大地の籠手(ミテーナ・デッラ・テラ)!!」


白いブレードと噴射口が付いた両腕の黒いガントレットーー『大地の籠手(ミテーナ・デッラ・テラ)』へと形態変化する。

大地の籠手は重力操作や推進力の強化だけで無く、腕を封じられると重力操作の制御が効かなくなると言う炎真の弱点の解消として、両手を封じられた状態でも脳波で重力操作を可能にする利点を持つ。

大地の籠手を装備した炎真は拳に大地の炎を集中しながらベルグモンの懐に入り……


超炎真「大地の鉄槌(マルテッロ・デッラ・テラ)!!」

ベルグモン「グオオッ!?」


大地の拳の強化技である『大地の鉄槌(マルテッロ・デッラ・テラ)』をベルグモンに食らわせる。

大地の鉄槌は大地の拳以上の重力が付加されており、その威力は地面に大型のクレーターを作り出す程までに強力で、例え相手が回避できたとしても拳から放出される重力波で大きく吹き飛ばすことが可能である。

炎真の大地の鉄槌を受けたベルグモンは暗黒の力での防御が間に合わなかったのか大きく殴り飛ばされて海へ落下するが……


ベルグモン「ギャオオオオオオッ!!!」


ベルグモンはすぐさま浮上し、炎真に向かって行く。


超炎真「やっぱり、これぐらいじゃ倒れないか……それなら! 超重力BH(スーペル・グラヴィタ・ブラックホール)!!」

ベルグモン「グオオオオッ!!?」


炎真はベルグモンに向かって巨大な大地の炎を放ち、放たれた大地の炎はブラックホールを形成し、ベルグモンを吸い込み始める。

大地の籠手により強化されたブラックホールの重力は凄まじく、流石のベルグモンも吸い込まれないよう抵抗するだけで精一杯であった。


ベルグモン「マスターオブダークネス!! レザーウィング!!」


ベルグモンは炎真に向かって技を放つが、全てブラックホールに吸い込まれて行く。


ベルグモン「グオオッ!?」

超炎真「攻撃しても無駄だ! このまま僕と我慢比べだ、ベルグモン! はあああああああっ!!」

ベルグモン「ギャオオオオオオッ!!!」


炎真はさらに大地の炎を放出してブラックホールの重力を強化し、ベルグモンも吸い込まれないよう暗黒の力を解放して抵抗していた。


超炎真「ぐうう……っ!(ツナ君、アインスさん……そんなに長くはベルグモンを足止めできない……急いで……!)」


炎真が必死にベルグモンの足止めをする中、ツナとアインスは……


超ツナ「アインス、融合(ユニゾン)するにはどうすれば良い?」

アインス「ジョットは私がリングに夜天の炎を灯せば、後は感じるがままにできると言っていた」

超ツナ「アインスが夜天の炎を? できるのか?」

アインス「大丈夫。ここへ来る前に練習して来たから、その時の感覚を思い出せば……」

ボウッ!!

アインス「ほら、灯せたよ」

超ツナ「凄い……!」


アインスがリングに夜天の炎を灯したのを見て、ツナは感嘆の声を上げる。


超ツナ「よし、俺も一応リングに炎を灯しておこう……んっ!」

ボウッ!!


ツナも自身のリングに大空の炎を灯す。

すると……


ドクンッ、ドクンッ……!

超ツナ「っ!(何だ、何かの鼓動が聞こえる……これは、アインスの心臓の音なのか? それに、俺達のリングが互いに共鳴し合ってるみたいだ……)」

アインス(聞こえる、ツナの心臓の音が……まるで、私達の胸の鼓動が共鳴しているかの様だ……)


ツナとアインス……2人のリング、そして胸の鼓動がまるで共鳴しているかのように強く鳴り出し、お互いの心臓の音が聞こえるのだった。

それと同時にこの後どうするべきかは、言わなくても不思議とわかっていたが、ツナはアインスに1つ聞きたいことがあった。


超ツナ「アインス、1つ聞いても良いか?」

アインス「? 何かな?」

超ツナ「その……いくら俺だけがアインスと融合(ユニゾン)できるとは言え、アインスは俺が融合(ユニゾン)のパートナーで良いのか? 本当ならアインスの融合(ユニゾン)のパートナーは、はやてだった筈なのに……」


ツナは唯一の気がかりである、アインスの融合(ユニゾン)のパートナーが自身で良いのかを問うと、アインスは柔らかな笑みを浮かべる。


アインス「良いに決まっている。確かに、主と融合(ユニゾン)できなくなってしまったことを寂しいと思う気持ちはある……だけど、私は再び融合(ユニゾン)できる機会を得て、君の力になれることが嬉しいんだ。君が融合(ユニゾン)のパートナーであることに不満なんか無いよ」

超ツナ「アインス……」

アインス「それに主からはやりたいようにやれと背中を押していただいた。だから、心のままに君と融合(ユニゾン)する……ツナは私と融合(ユニゾン)するのは、嫌かな?」

超ツナ「……そんな訳無いだろ? 俺を融合(ユニゾン)のパートナーとして認めてくれて嬉しい限りだ」

アインス「ツナ……!///」

超ツナ「その、何だ……改めてよろしく頼むよ、アインス///」

アインス「うん!///」


お互いに意志の確認が取れ、迷いが晴れたツナとアインスは……


アインス「いくよ、ツナ……!」

超ツナ「ああ。やるぞ、アインス……!」

超ツナ・アインス『ユニゾン、イン!』


同時に融合(ユニゾン)する為のキーとなる言葉を叫ぶと、アインスの体は光へと変わって行き、光と化したアインスがツナの体の中へと入り込むと……


ボオオオオッ!!


大空の炎と夜天の炎が火柱の如く大きく立ち昇り、その2つの炎は1つへと混じり合って行くのだった……














大空と夜天の炎に包まれる中、ツナと融合(ユニゾン)している最中のアインスの頭の中に何かが入り込む。

それは……


アインス(これは、ツナの記憶……なのか?)


ツナの記憶で、まるでツナの秘密と今迄の戦いを教えるかのように次々にアインスの頭の中に流れ込む。

ツナ自身は運動や勉強がダメダメであることを除けば、基本何処にでもいる平凡な中学生であるが、彼自身にはある秘密があった。

それはボンゴレファミリーと言うイタリア最強のマフィアの次期ボス候補で、先祖代々からその血を受け継いでいることを、自身の家庭教師としてやって来た元晴のアルコバレーノにして、世界最強のヒットマンーーリボーンによって知った。

そして、その血を受け継いでいるが故に様々な戦い……

脱獄囚である『六道骸』率いる黒曜中との戦い……

もう1人のボス候補『XANXUS(ザンザス)』率いるボンゴレ特殊暗殺部隊『ヴァリアー』とのリング争奪戦……

パラレルワールドにいる自身と知識を共有できる能力を持つ『白蘭』率いる『ミルフィオーレファミリー』との10年後の未来の世界での戦い……

誤解やすれ違いから一時敵対してしまった親友の炎真率いるシモンファミリー、そのシモンファミリーを裏から操って暗躍していた初代霧の守護者『D(デイモン)スペード』との『誇り』を賭けた戦い……

ツナ自身の師であるリボーンらアルコバレーノの生存の未来を賭けた、マフィアの法の番人である復讐者(ヴィンディチェ)達との『虹の代理戦争』……

ツナ自身マフィアのボスになる気はないが、大切な仲間達の命を守る為にも逃げる訳にはいかなかった戦いについて、そして望まぬ過酷な戦いを強いられても『優しさ』を失わなかったツナの『強さ』について、アインスはこの時知ったのだった。


アインス(ツナ……貴方と融合(ユニゾン)できて良かった……私は、貴方のことを深く知ることができた……そして、貴方のことがもっと好きになれた……///)


アインスはそう笑みを浮かべながら、ツナと1つになって行くのだった……
















数分後、大空と夜天の炎の中から1人の人間ーーツナが姿を現すが、今のツナの姿は先程とは違い、茶髪の髪は襟足が少し伸びた金色に近い明るい髪になり、橙色の両目の内右目が赤色に変化し、額には大空と夜天の2つの炎が混じり合う形で灯され、背中には大空と夜天の2つの炎で形成された2対4枚の炎の翼が展開されていた。

さらに右手には大空のリングVer.Xの他、アインスの夜天のヴェルジネリングが装着されており、全身からは純度の高い大空と夜天の炎が猛々しく放出され、体の傷や疲労感も融合(ユニゾン)した影響なのか見事に回復していた。


超ツナ?「これが、アインスとの融合(ユニゾン)か……身体中から温かな力が溢れて来る……」

アインス『私もだよ、ツナ。今の私達の状態に名前を付けるなら、『超(ハイパー)ユニゾンモード』と言ったところかな?』


ツナと融合(ユニゾン)しているアインスが小さな精神体として現れ、ツナとの融合(ユニゾン)している状態を『超(ハイパー)ユニゾンモード』と名付ける。


超ユニゾンツナ「超ユニゾンモードか……悪くないな。さて、浄化の炎は……」

ボウッ!!

超ユニゾンツナ「うん、問題無く使えるな」


ツナは確認するかのように、Xグローブに大空と夜天の2つの炎が融合した浄化の炎を灯した後……


超ユニゾンツナ「行くぞ、アインス!」

アインス『ああ、行こう!』


ベルグモンの足止めをする炎真の元へと飛翔する。

一方、ベルグモンをブラックホールで足止めしている炎真は……


ベルグモン「ギャオオオオオオッ!!!」

超炎真「はあ、はあ、はあ……炎が、持たない……!」


度重なる連戦で疲弊しているからか、死ぬ気の炎が底をつきそうになっており、炎の消耗に比例してブラックホールの出力も下がって行く。


ベルグモン「マスターオブ……!!」

超炎真「くっ!(やられる!)」


ブラックホールの拘束を突破したベルグモンが炎真に技を放とうとし、炎真が死を覚悟した……その時。


超ユニゾンツナ「獅子戦吼!!」

ベルグモン「ガアアアッ!!?」

超炎真「! ツナ君!」


アインスと融合(ユニゾン)したツナが現れ、ベルグモンを獅子の闘気で吹き飛ばし、海へ叩き落としたことで炎真のピンチを救うのだった。


超ユニゾンツナ「大丈夫か、炎真?」

超炎真「う、うん、ありがとうツナ君……その姿、アインスさんと融合(ユニゾン)できたんだね……」

超ユニゾンツナ「ああ、この通りな」


ツナは疲弊している炎真に肩を貸しながら、ゆっくりと凍った海へと着陸する。


超炎真→炎真「はあ、はあ、はあ……」


着陸した瞬間、炎真は遂にスタミナの限界を迎えたのかハイパー化を解き、力なく座り込む。


超ユニゾンツナ「ありがとう、炎真。お前が時間を稼いでくれたおかげで、何とかなりそうだ」

炎真「あはは、それは良かったよ……もうちょっと一緒に戦いたかったけど、流石に無理そうだ……」

超ユニゾンツナ「……後は俺達に任せてくれ」

炎真「うん、頼んだよツナ君……あ、そうだ、良かったら僕のシモンリングを使って」


炎真は大地のシモンリングをツナに向けて飛ばし、大地のシモンリングがツナの大空のリングVer.Xと合体すると……


ボウッ!!


ツナの額に灯っている大空と夜天の炎の上に大地の炎が重なるように灯され、左腕のXグローブも炎真がハイパー化した時に装着される籠手に似た形へと変化する。

ツナの大空のリングVer.Xと炎真の大地のシモンリングは合体することによって、ツナは大地の炎が使用することが可能になる。

アインスとの融合(ユニゾン)と炎真の大地のシモンリングとの合体により、ツナは大空・夜天・大地の3つの炎が使えるようになるのだった。


超ユニゾンツナ「サンキュー、炎真。だが俺が大地のシモンリングを持って行くと、炎真が自分の身を守れなくなるな……」


そう心配するツナの不安を解消するかのように……


バオハックモン「おーい、皆! 大丈夫かー!?」

超ユニゾンツナ「! バオハックモン!」


バオハックモンがスタミナ切れで倒れている勇真を背に乗せながらやって来る。


超ユニゾンツナ「丁度良いところに来てくれた、バオハックモン。炎真もスタミナ切れでもう戦えないんだ。守ってやってくれないか?」

バオハックモン「え? そりゃあ良いが、ツナはどうするんだ? と言うか、その姿は一体……?」

超ユニゾンツナ「事情は炎真に聞いてくれ。俺はベルグモンと決着をつけて来る」

バオハックモン「そうか……よし、わかった。炎真のことは俺に任せろ」

超ユニゾンツナ「すまない、助かる」

炎真「ごめんね、バオハックモン……世話焼かせちゃって……」

バオハックモン「なぁに、気にするな。ほら、背中に乗んな」

炎真「うん、ありがとう……」


炎真はふらふらしながらも、何とかバオハックモンの背中に乗る。


超ユニゾンツナ「バオハックモン、炎真と勇真のことは任せたぞ」

バオハックモン「おう、任せろ」

炎真「後は任せたよ、ツナ君……頑張って」

超ユニゾンツナ「ああ、ありがとう」


ツナがベルグモンの元へ向かおうとすると……


勇真「つ……ツナ……兄ちゃん……」

超ユニゾンツナ「!」

バオハックモン「勇真!」


スタミナ切れで倒れていた勇真がツナに声をかけて来て、勇真は……


勇真「ごめんね……僕、ツナ兄ちゃん達の、皆の力になりたかったのに……ちゃんと、戦えなかった……僕……自分が凄く情けないよ……うう……」

バオハックモン「勇真……」

炎真「勇真君……」


ツナ達の力になりたかったのにそれができない、自身の不甲斐なさに涙を流していた。

そんな勇真にツナは……


超ユニゾンツナ「そんなことはない。寧ろお前がいなかったら、俺達は終わっていた」

勇真「……え?」

超ユニゾンツナ「お前は俺達にベルグモンに対抗する為のヒントをくれた……そして、お前が勇気を振り絞って戦ってくれたおかげで、俺はもう一度立ち上がることができた。だから、お前は情けなく無いし、無力な子供でも無い」

勇真「ツナ、兄ちゃん……」

超ユニゾンツナ「お前はよく頑張ったよ、勇真……後は『俺達』に任せろ」

勇真「……うん」


勇真の頭を撫でながらそう励まし、後は任せるように言うのだった。

そして、ツナは炎真や勇真達から離れると……


超ユニゾンツナ「行ってくる……!」

ボオオッ!!


両手のXグローブと背中の炎の翼を逆噴射し、猛スピードで飛翔しながらベルグモンの元へ向かうのだった。


勇真「(ごしごし)……ツナ兄ちゃん、かっこいいや」

炎真「ふふふ、そうだね……」

勇真「僕……ツナ兄ちゃんみたいに、強くなりたい……」

炎真「僕も勇真君と同じ気持ちだよ……お互い頑張ろう」

勇真「うん……」

バオハックモン「ふふふ……(ツナは2人にとっての目標なんだな……俺の師匠と同じだな)」


炎真と勇真は同じ目標を持つ同士打ち解け合い、バオハックモンは2人を微笑ましそうに見るのだった。

一方、ベルグモンの落下した地点へ向かうツナとアインスは……


ベルグモン「ギャオオオオオオッ!!!」

アインス『ベルグモン……!』

超ユニゾンツナ「やはり、あれくらいの攻撃では倒れないか……!」


ベルグモンが海から浮上したのを見て、いくら浄化の炎を付加した獅子戦吼とは言え、そう簡単に倒せる相手では無いことを実感する。

だが、ツナとアインスは例えベルグモンが強敵でも負ける気は無いし、引くつもりもさらさら無い……ただ全力で、死ぬ気で戦うのみである。


超ユニゾンツナ「行くぞ、ベルグモン! お前との決着をつけてやるぜ!」

ベルグモン「ギャオオオオオオッ!!!」

超ユニゾンツナ「うおおおおおおっ!!」


アインスとの融合(ユニゾン)により超ユニゾンモードとなったツナとベルグモンが激突する。

ムゲンマウンテンから始まった決戦は最終局面を迎え、決着の刻が迫りつつあった……


To Be Continue…… 
 

 
後書き
ツナとアインスが遂に融合(ユニゾン)しました^_^

いや〜、小説書いててここまで来るのに永い年月かかりました(^◇^;)

本当ならブイモンの新しい進化を出したかったけど、ツナとアインスの融合(ユニゾン)を書いて力尽きました(^◇^;)

って言うか、ベルグモン戦は超ユニゾンモードのツナで決着付けて良いような気がして来たけど、デジモンとの戦いにデジモンで決着付けないのもおかしいような……いっそのこと、奇跡の聖騎士マグナモンを出しちゃおうかな?

次回はベルグモンとの決着を書きたいと思います! 次回も応援よろしくお願いします!^_^


追記

超ユニゾンモードのツナのイメージは下記のpixivにアップしたイラストを参照願います^_^

https://www.pixiv.net/artworks/64110409 
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