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多くの人の助けで

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第一章

              多くの人の助けで 
 アメリカテキサス州のファーストフード店の駐車場でだった。
 十八歳の少女デスティニー=ヴァスケス赤髪を後ろで束ねた青い目の彼女はそこでハンバーガーを買った帰りにだった。
 二匹の犬を見付け母のジェシカ=マリンジャ動物好きで自分と同じ髪の毛の色で顔立ちもそっくりの彼女に話した。尚デスティニーの目の色は父親似である。
 それでジェシカがその駐車場に来てみると。
「ワン」
「ワンワン」
「結構大きいわね」
「そうでしょ」
 デスティニーはその犬達を見つつジェシカに話した、見ればその犬達はどちらも痩せていて一方は黒でもう一方は薄茶色の毛だが外見はそっくりで耳も立っている。
 その犬達を見てジェシカは言った。
「仲いいし兄弟みたいね」
「そうね」
「それで私達だけだとこの大きさの子達を一度に助けられないから」
 母は娘に話した。
「助っ人呼ぶわね」
「わかったわ」
 娘は母の言葉に頷いた、そうしてだった。
 ジェシカが連絡をすると一人の太った黒髪に丸眼鏡の女性がワゴン車に乗ってやって来た。目は青である。
「レズリー=ヘニングス、宜しくね」
「はじめまして」
 デスティニーはレズリーと握手をして彼女に応えた。
「それでなんですが」
「この子達ね」
「はい」
「随分人馴れしてるわね」
「実はです」
 ここで駐車場で話がしているので様子を見て来た若いヒスパニック系と思われる店員が出て来て言ってきた。
「この子達結構長くここにいまして」
「そうなの」
「はい、そろそろうちも保護センターに連絡して里親を探してもらおうかとです」
「お話していたのね」
「そうなんです」
「そうだったのね」
「それで、ですね」
「ええ、これから私達が助けるわ」
「お願いします」
 店員もレズリーにこう言った、そしてだった。
 レズリーはすぐに犬達をワゴン車に入れた、そうして仲のいい保護センターに事情を話して保護してもらい里親を探してもらった、犬達は黒犬はブラック薄茶色の犬はブラウンと名付けられたが二匹共雄でだった。
 ずっと仲良く人馴れしていて暴れることも吠えることも噛むこともなかった、それでだった。
 二匹が保護された保護センターのスタッフアナ=テラン顎鬚を生やした黒髪と青灰色の彼もだった。レズリーに話した。 
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