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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十四話 八条荘の忘年会その十四

 僕に茹でたソーセージとビールを出して言ってきた。
「沖縄に戻ったらね」
「大学まではこっちですね」
「ええ、けれどあっちに戻ったら」
 その時はというのだ。
「実家の仕事手伝うわ」
「実家のですか」
「言ってなかったけれど私の家観光客相手の土産屋さんやってるの」
「そうだったんですか」
「お店はいつも忙しいから」
 観光客の人が買ってくれてというのだ。
「だからね」
「それで、ですか」
「あっちに戻ったら」
 その時はというのだ。
「もうね」
「お店を手伝ってですか」
「やっていくわ」
「そうですか」
「ええ、それはまだ先だけれど」
 ソーセージ茹でられたそれを食べる僕に話してくれた。
「その時はね」
「お店で働いて」
「潰れない様にしてずっとやっていくわ」 
 僕に笑顔で話してくれた、その後で。
 顔が真っ赤になっていてそれでもビールをジョッキで飲んでいる友奈さんが僕にこんなことを言ってきた。
「横浜は素敵だから」
「神奈川に戻って」
「あそこでね」
 その横浜でというのだ。
「働きたいわ、八条グループの会社に就職出来たら」
「関東、それで神奈川に」
「戻って」
 そしてというのだ。
「そこで働きたいわ」
「そう考えているんだ」
「関西も嫌いじゃないけれど」
 それでもという返事だった。
「やっぱり関東に産まれてずっといたから」
「それでなんだ」
「大学まではこっちで」
 それでというのだ。
「戻ったらね」
「その時は」
「ええ、あちらで働きたいわ」
「そう考えているんだ」
「あちらに来たら案内してあげるわ」
「その時は頼むよ」
 僕も笑顔で応えた、そしてビールもソーセージも全部口に入れて。
 楽しんだ。そしてだった。
 自分の席に戻りに立って歩いている時に香織さんに声をかけられた、そうして詩織さんと一緒にいたけれど今はその詩織さんがいない席にだった。
 二人で座った、香織さんは僕にアイスクリームとホットコーヒーを差し出してそのうえで僕に言った。
「もうでしょ」
「うん、かなりね」 
 僕は酔いと満腹を実感しながら答えた。
「飲んで食べてね」
「そうよね」
「もうこれ以上はね、お酒とオードブルとかは」
「だからね」
「コーヒーとだね」
「甘いものにしたわ」
 僕に微笑んで話してくれた。
「私はね」
「そうだね、じゃあね」
「ええ、アイスを食べてね」
「コーヒーを飲むよ」
「そうしてね、それでね」
 香織さんの方から言ってきた。
「今日は皆飲んで食べてでね、後はね」
「後は?」
「皆今年は年末年始こっちにいるらしいけれど」
「そうみたいだね」 
 僕もこのことは管理人として知っている。 
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