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夢幻水滸伝

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第百九十八話 先んじればその二

「先んずれば人を制す」
「先に動くことが重要ですね」
「特に政はな、状況を迅速かつ確実に把握し」
 そしてというのだ。
「動くんや」
「相手よりも」
「それが大事や、それでや」
「リーさんも手を打たれましたね」
「ここでや、それも使者は空船に乗せて向かわせた」
 ただ向かわせるだけでなくというのだ。
「そうさせた」
「素早く行かせる為ですね」
「そや、実はそれぞれの国に移動の術を使って行けるモンがおったらな」
「その者かその者をつけて使者にしていましたね」
「そうしてたが」
 それがというのだ。
「おらんかったからな」
「だからですね」
「空船に乗せた」
 そのうえで送らせたというのだ。
「そうした」
「相手より先に動く為に」
「丁度四国が動く前に」
 まさにその前にというのだ。
「それぞれのところにな」
「使者が行っていますね」
「そして話をしてる、後はや」
「リーさんのお考え通りにですね」
「話を進めてく」
「そうしますね」
「ああ、話をして」 
 そうしてというのだ。
「そこからな」
「国家連合を結ぶ」
「そうする、そしてな」
 さらにと言うのだった。
「そこからや」
「マレーシアに対しますね」
「そうもして」
「マレーシアも降すなり組み入れるなりして」
「あの国も加えて」
「まずは大勢力になる」
 東南アジアにおいてというのだ。
「タイやベトナムにも負けん位のな」
「そうなりますね」
「ただな」
「ただ?」
「タイやベトナムよりも先にインドネシアを降す」  
 リーは真剣な顔で述べた。
「そうするで」
「えっ、リーさん今何と」 
 アルフィアンはまずは我が耳を疑った、そのうえでリーに顔を向けてそのうえで言葉だけでなく顔でも彼に問うた。
「あの、インドネシアは」
「この世界でも東南アジア随一の大国やな」
「はい、人口も国土もかなりのもので」
「資源もあってな」
「かなりの国力ですが」
「そのインドネシアをまずはや」
 リーの表情は変わらなかった。
「攻めてな」
「降してですか」
「さらに国力を高めてな」
「タイやベトナムに対しますか」
「フィリピンにもな」
「そうしますか」
「インドネシアを降して加えたら」
 その場合もだ、リーは話した。
「東南アジアで比類ない勢力になるし南洋の介入も防げる」
「南洋ですか」
「あちらは統一への勢いがかなりや」
「そういえば急激に進んでいますね」
「パターソンさんもおる」
 リーは彼女の名前も出した。 
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