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八条学園騒動記

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第六百十三話 コーヒーにも入れるその十

「普通にあるよ」
「それは大きいわね」
「ちなみにカエサルは一八五あったらしいよ」
 ローマ最大の英雄と言われる彼はというと。
「平均一六〇の中でね」
「それ滅茶苦茶大きいわね」
 ウェンディもその話を聞いて言った。
「関羽程じゃないけれど」
「滅茶苦茶目立ったと思うよ」
「頭一つ分大きかったから」
「確かに髪の毛は薄かったけれど」
 この時代でも禿の女ったらしという仇名は健在である、このことは実際に史実に書かれているものである。
「背はね」
「異様に高くて」
「目立ったみたいだよ」
「そうなのね」
「結構太っていて」
 この話も残っている。
「色白でね、お洒落に凝っていて」
「そのことでも目立ったの」
「身体中の毛を抜いていて髪の毛はカールにしていたらしいよ」
「髪の毛薄いのに」
 ウェンディもこう言った。
「それでもなのね」
「うん、禿げていてもね」
 ルシエンも容赦しない、カエサルはエウロパのはじまりとされるローマの人間なので連合では嫌われているのだ。
「それでもね」
「そうしていたの」
「それで禿げていてもね」
「背は高かったのね」
「太っていてね」
「じゃあオークみたいだったのね」
 ウェンディはカエサルについてこうも言った。
「カエサルって」
「色白で太ってるから」
「それで豚も髪の毛ない様に見えるね」
「毛が短いから」
「だからよ」
「カエサルはオークなんだ」
「豚頭のこの種族ね」
 このことはオークが大柄というイメージもあって言っている。
「まさに」
「しかも女好きだしね」 
 アンネットはカエサルのこの要素の話もした。
「オークもそうだっていうし」
「そうでしょ、カエサルってね」
「言うならオーク?」
「そうよね」
「エウロパの連中って貪欲だし」
 これは完全な偏見である。
「それじゃあね」
「本当にオークね」
「カエサルってね」
「禿の女ったらしっていうけれど」
「実はオークだった」
「そうなるわね」
 二人でこうした話をするとだった。
 ルシエンは客用のコーヒーを素早くかつ的確に淹れて言った。
「よし、またね」
「淹れたわね」
「そうしてくれたわね」
「アメリカンの注文ばかりだったけれど」
 自分としては好みでないそれだったがというのだ。
「淹れたよ」
「人が飲むならね」
 アンネットが応えた。
「合わせるわね」
「お客さんの注文通りのものを作る」
「こうした商売の基本よね」
「若しアメリカン頼んで」 
 そうしてとだ、ルシエンは笑って話した。
「自分が作りたいってロシアンティー出たらね」
「何だってなるわね」
「そうだよね」
「それこだわりのお店ならね」
 最初からそう言っている店ならというのだ。
「いいけれど」
「普通のお店ならね」
「アウトよね」
「何だってなるよ」
「そうよね」
「確かに基本ルシエンは濃いめのはっきりした味が好きで」
 それでとだ、ウェンディは話した。 
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