八条学園騒動記
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第六百十三話 コーヒーにも入れるその八
「それで本当にたまたまね」
「産業革命が起こって」
「それで技術持っただけでね」
「実は何でもないわね」
「だから銀河の時代になって」
この千年来というのだ。
「僕達の方がずっと豊かになったんだよ」
「連合の方がね」
「技術もね」
「そうよね」
「というか白人とか言ってもよ」
アンネットもまた言った。
「同じ人間でしょ」
「結局はね」
「そうなのよね」
「混血したらよくなるにしても」
「同じ人間よ」
「神様じゃないわよ」
二人に強い口調で言い切った。
「白人っていっても」
「同じ人間だからね」
「偉いとかないわよ」
「昔は今よりずっと連合の人間馬鹿にしていたらしいけれど」
「有色人種とか言って」
「けれど実はね」
「能力はあまり変わらないのよね」
二人でアンネットに応えて話した。
「その実は」
「本人の努力次第だよ」
「その努力を見ないで」
それでというのだ。
「人種だけで優秀とかね」
「馬鹿な主張だね」
「そんなこと言うこと自体が駄目でしょ」
「だから知能指数は連合のどの国にも負けていて」
そしてというのだ。
「運動能力も体格もね」
「エウロパは全部連合に負けてるんだよね」
「そうなってるのよ」
「そうだね」
「飲む必要ないのに朝からお酒飲んで」
アンネットは再びこの話をした。
「それで白人至上主義にこだわってる」
「頭も悪くなる筈だね」
「そうよ、混血してしかも努力している私達はね」
「この通りだね」
「どんどんよくなっていってるのよ」
「それでこれからも」
「そうなっていくわ、ただね」
アンネットはこうも言った。
「知能指数とか運動能力って誤差の範囲なのよね」
「優劣はね」
ウェンディもその通りと返す。
「所詮はね」
「そうよね」
「訓練したらね」
「どっちも上がるわね」
「体格だってね」
これもというのだ。
「食べるものがよかったら」
「よくなるわね」
「昔の人は小さかったのよ」
今の人間よりというのだ。
「ベートーベンだって一六五だったし」
「滅茶苦茶小さいわね」
「今だとね、けれどその頃はね」
ベートーベンが生きていた時代ではというのだ。
「普通位だったそうよ」
「一六五センチで」
「大人の男の人としてね」
「普通だったのね」
「けれど栄養がよくなって」
それでというのだ。
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