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八条学園騒動記

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第六百十三話 コーヒーにも入れるその三

「後はトラ箱か酔い覚ましの注射受けて」
「終わりなの」
「それでね」
「簡単ね」
「もう皆慣れてるのね」
「そう、本当にいつもだから」
 それでというのだ。
「もうね」
「慣れてなのね」
「すぐに終わらせるから」
 酒乱になった者が暴れてもというのだ。
「普通にね」
「無理にでもだね」
「そうして」
「殴ったり注射で」
「そうした手段で」
「そう、だから大丈夫よ」
 酒乱が出てもというのだ。
「いつもだからね」
「あの、酒乱がいつもで」 
 ウェンディはこのことから指摘した。
「しかもね」
「それでこの対処の仕方が?」
「酷いんだけれど」
「だからロシアだから」
 アンネットの返事はこうだった。
「だからね」
「皆いつもお酒飲んでるから」
「それで酒乱なんてね」
 それこそというのだ。
「食べ過ぎ位にね」
「普通なの」
「そう、だから会社もね」
「クビにならないのね」
「流石に酔って人殺したらアウトだけれど」
 この場合は罪に問われるがというのだ。
「多少の障害とか器物破損はね」
「酒乱だとなの」
「許されるのよ」
「そうなの」
「暫く飲むなって言われるけれど」
 それでもというのだ。
「罪にはね」
「問われないの」
「そう、それなら誰も飲めなくなるから」
「それでなのね」
「さっきも言ったけれどロシアでは飲むなと言ったら終わりだから」 
 それこそ政権が倒れる程のことだというのだ、尚ゴルバチョフもそう言うまでは人気があったという。
「だからね」
「酒乱もなの」
「普通なの、それで暴れだしたら」
「すぐになのね」
「殴って気絶させて」
 そしてというのだ。
「トラ箱か」
「注射なのね」
「それで終わりよ、スプレー状のもあるわよ」
「それをかけたら」
「お顔にね、そうしたらね」
「酔いが覚めるのね」
「暫く寝てね」
 そのうえでというのだ。
「そうなるから」
「だから大丈夫なの」
「そう、酒乱が出てもね」
「しかし酔ってお仕事したら」
 どうかとだ、ルシエンはどうかという顔で述べた。
「よくないよ」
「色々ミス出るわよね」
「そうだよね」
「幾ら何でも仕事中に飲むのは」
「よくないよ」
「だから寒くてどんどん酔いが覚めるのよ」
 アンネットは二人に答えた。 
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