内助の功
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第三章
「別にな」
「これってのないな」
「そうだよな」
「あいつが結婚している感じがしないのも」
このこともというのだ。
「何となくわかるな」
「あれだけ地味な奥さんだとな」
「あいつもこれといって結婚の話しないしな」
「それだとな」
「結婚している感じもしないな」
「指輪していてもな」
結婚指輪が指にあってもというのだ。
「やっぱりな」
「どうしてもそうなるよな」
「ああ、仕方ないな」
「あれじゃあな」
「というか何なんだ?」
ここでこうした言葉も出た。
「あいつあんな一軒家建てられたな」
「二十代でな」
「何時そうしたんだ」
「ちょっとわからないな」
「あの奥さん実は凄いお金持ちの人とかか?」
「あまりそんな感じしないけれどな」
梨沙の外見を見ると、というのだ。
「これといってな」
「そんな感じしないけれどな」
「それで一軒家建てたのか?」
「それか本当にローンをしてな」
こうした話をした、そして社内で亜飛夢が何故梨沙と結婚したのかという話にさえなった。彼はそうした話を耳にしてもだった。
何も言わなかった、会社では自分の仕事をこなし。
家に帰る日々だった、だが家に帰るとだった。妻に笑顔で言った。
「今日も悪いな」
「悪くないわよ」
妻は夫に笑顔で応えた。
「私は私でね」
「やることをやっているんだな」
「それだけだから」
「いつも家の中を掃除してか」
「お庭も玄関もね」
そして駐車場もだ。
「それでお料理もね」
「全部か」
「ええ、それはね」
まさにというのだ。
「もう特価のものを」
「それをだよな」
「いつもチェックして」
スーパーのそれをだ。
「そしてね」
「そのうえで安いものを買って」
「買い置きもして」
そうしたことも欠かさずというのだ。
「献立もね」
「ちゃんと考えてくれてるな」
「私なりにね、栄養バランスを考えて」
そちらもしっかりとだ。
「作ってるから」
「だから俺もいつも健康か」
「若しね」
ここで梨沙はこうも言った。
「ちゃんとしたものを食べないと」
「身体の調子が悪くなるか」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「ちゃんと考えているの」
「値段も考えてか」
「ええ、それで空いた時間に」
その時間にというのだ。
「ブログで商品紹介とかしてね」
「お金稼いでいるな」
「そう、あと動画もね」
「ユーチューブのな」
「それもやって、そこではね」
ここでだ、梨沙は。
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