夢幻水滸伝
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第百九十六話 まずは農業その五
「ほんまに」
「左様ですね」
「お米だけでなく他の作物も育てやすいので」
「それで尚更ですね」
「いいですね」
「しかもこの世界やと技術レベルが高い」
チュットはこのことも話した。
「それもええです」
「産業革命は経験しています」
「そしてそこからも発展しています」
「お陰で農具や肥料も質がいいです」
「そうなっています」
「農業革命も起こってて、私が起きた世界やとそうしたことは欧州で起こって」
産業革命も農業革命もだ、その驚異的な技術革新で得た力で欧州が発展したことは歴史にある通りだ。
「あっちは豊かです」
「この世界では違いまして」
「産業革命は太平洋で起こり」
「そしてアフリカや地下世界にも及びました」
「当然我が国にもです」
「それで技術も高いです」
「まあアメリカや中国程ではないけど」
それでもというのだ。
「大体十九世紀終わり位の技術レベルでも」
「大きいですか」
「それだけで」
「農業の技術についても」
「産業革命と前で技術は全然ちゃいますから」
だからだというのです。
「今はです」
「違いますか」
「そしてその技術も使えるので」
「我が国は豊かですか」
「そうなっていますか」
「ほんまに。ほなこれからも」
チュットはさらにという口調で話した。
「農業を軸に内政をしていって」
「豊かになって」
「その力を背景にカンボジアを統一していく」
「そうしていきますか」
「そういうことでやっていきます、こっちが豊かになれば」
チュットは自分の戦略も話した。
「入ろうっていう勢力も増えますし」
「実際に出て来ています」
「我々の周りの勢力から」
「そうした街や村が相次いでいます」
「その彼等もですね」
「受け入れていって」
そうしてというのだ。
「豊かにして」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「さらに従う勢力を増やしていく」
「そうしていき」
「カンボジアの統一を目指しましょう」
チュットは戦はあまり好きではない、それでだった。
農業を軸にした内政で国を豊かにしていきそれを他の勢力に見せて彼等に降る様にしていく戦略を進めた。すると。
それが当たった、それでだった。
チュットの勢力は暫く経つとカンボジアの八割を掌握しその二割も恭順の意識を示す様になっていた。その状況を見てだった。
チュットはプノンペンの官邸で周りに笑顔で話した。
「カンボジアの統一も」
「はい、もう確実ですね」
「そうなってきましたね」
「とりあえずの目標でしたが」
「それが出来てきましたね」
「そうなりましたので」
だからだというのだ。
「まずはです」
「いいですね」
「そう言うべきですね」
「今の状況は」
「ほんまに。ただカンボジアの統一は果たしても」
それでもとだ、チュットは話した。
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