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夢幻水滸伝

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第百九十六話 まずは農業その三

「わかりました、ほな村や街を回ってです」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「困ってる人達を助けて」
 そうしてというのだ。
「何とかしていきます」
「あの、旗揚げされては」
「一つの勢力を立ち上げられてはどうでしょうか」
「そうされては」
「その為にです」
 チュットは村人達に答えた。
「村や街を回って」
「そうしてですか」
「人を助けて」
「そして名前を知ってもらって」
「そのうえで、ですか」
「この辺りの大抵の村や街に私のことを知ってもらって」
 それからというのだ。
「旗揚げします」
「はい、それでは」
「そうされて下さい」
「そして是非です」
「この世界を救って下さい」
「そうします」
 こう言ってだった。
 チュットは旅をはじめた、一人旅であったが星の者である彼女に敵う賊やモンスターは存在せず彼等を次々に倒し。
 そして災害もドルイドの自然を操る力で抑えていき。
 人々を救っていった、すると今自分がいるプノンペンとその周辺で彼女を知らぬ者はいなくなった。そうしてカンボジアの者達がだった。
「是非この辺りを治めて下さい」
「我等の棟梁になって下さい」
「宜しくお願いします」
「その様にして下さい」
 チュットをプノンペンに呼んで言うのだった。
「棟梁はチュット様しかおられません」
「そのお力があれば必ずカンボジアを統一出来ます」
「そして政の方も出来ますね」
「そちらも」
「政ですか、ちょっと」
 そう言われるとだった、チュットは。
 困った顔になってだ、こう言った。
「やってみますが」
「自信がないですか」
「政については」
「そうなのですか」
「やったことがないので」
 経験がないからだと、チュットは答えた。
「ですから」
「しかし能力はおありですね」
「政治力は高いですが」
「ステータスを見ますと」
「政の特殊能力もお持ちですし」
 人々はそんなチュットに口々に言った。
「ですから大丈夫と思いますが」
「試しにやってみればどうでしょうか」
「出来ると思うものから」
「そう言われると」
 チュットは人々の言葉を受けて述べた。
「誰でも最初は何もしていないですね」
「はい、それこそです」
「誰もがあらゆることに未経験です」
「まずはやってみることかと」
「何でも」
「モンスター達との戦いもそうでしたし」
 この世界に来てすぐのことも思い出した。
「そうですね」
「はい、それではです」
「試しにされて下さい」
「そうされて下さい」
「そうしてみます」
 チュットも頷いた、そうして彼等の棟梁カンボジアとその周辺地域人口にして三百万近くの勢力のそれになった。 
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