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夢幻水滸伝

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第百九十五話 川と密林の国をその十三

「これからは」
「左様ですか」
「ではシンガポールと関係を深めますか」
「その様にされますか」
「今後は」
「そうしよか、あっちから声がかかって来るか」
 若しくはというのだ。
「こっちからな」
「使者を送ってですね」
「そうして関係を構築し」
「そうしてですね」
「あの国と国家連合を結びますか」
「シンガポールは太平洋の要所の中の要所や」
 その国の話をした。
「一代商業都市や」
「貿易も金融も盛んで」
「船が常に行き交っていてですね」
「東南アジアいえ太平洋で最も豊かと言っていいです」
「そうした街ですね」
 周りも酒を飲みつつ応えた。
「あの街は」
「まさにそうした街ですね」
「非常に豊かであり」
「そして多くの優秀な商人や官吏がいますね」
「しかもリーさんがおる」
 星の者の話もした。
「あの人がな」
「神星のお一人である」
「桁外れの知力と政治力をお持ちだとか」
「シンガポールをこれまで以上に豊かにし治安もよくされ」
「そして民全体の暮らしもよくされているとか」
「あの人はシンガポールどころかな」 
 この国に収まらずというのだ。
「さらにや」
「東南アジア全体ですか」
「この広く人の多い地域を治められますか」
「そうした方ですか」
「東南アジアどころかこの世界全体を治められる様な」
 そこまでのというのだ。
「力をお持ちや」
「だからですか」
「あの方と手を結び」
「国家連合を形成されますか」
「シンガポールは豊かやが小さな国や」
 ティンはこのことも指摘した。
「そやから人は少ない」
「都市国家ですし」
「どうしてもそうなっていますね」
「ですがそこに多くの人口を持つ我が国が加われば」
「シンガポールにとってもメリットがありますね」
「こっちは豊かさ、あっちは人口を得る」 
 お互いにとだ、ティンは言った。鶏肉と魚醤とコリアンダーで味付けして煮たものを食べつつそうして言った。
「お互いに利益があるな」
「そうなりますね」
「だからですか」
「まずはシンガポールですか」
「あの国とですか」
「国家連合を結ぼうか、そしてな」
 そうしてというのだ。
「まずは東南アジアや」
「この地域の統一ですか」
「それを進めますか」
「その様にお考えですか」
「今はな」
 鶏肉の後はミャンマーの強い地酒を飲んで話した。
「そう考えてる、東南アジアの柱はな」
「シンガポールですか」
「あの国ですか」
「そうなりますか」
「あの国は確かに小さいが豊かで場所がええからな」 
 それ故にというのだ。
「そうなるわ、それは星の者も同じや」
「リー様がですか」
「あの方が中心になられますか」
「そうなるのですか」
「それがしはそう見る、あの人は神星や」
 星の者の中でもとりわけ強い力を持つ者の一人だからだというのだ。
「それ故にな」
「東南アジアの中心になられますか」
「星の方々の中で」
「あの方こそが」
「そう思う、あの知力と政治力は半端やないし」
 それに加えてというのだ。 
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