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夢幻水滸伝

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第百九十五話 川と密林の国をその十一

「そしてや」
「移動もですね」
「それも楽ですね」
「そうなりますね」
「そや、それで集結も終わったし」  
 それでとだ、ティンはさらに言った。
「これからはな」
「はい、マンダレーですね」
「あちらに向かいますね」
「そしてそこにいる敵軍とですね」
「戦いますね」
「そうするで、そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「敵を一気に攻めてな」
「勝ちますね」
「そしてミャンマーを統一ですね」
「その様にしますね」
「そうする」
 こう言ってだった。
 ティンは集結させた軍勢を率いてマンダレーへの道を北上していった、そうしてまだ集結中の敵軍をだった。
 一気に攻めた、すると集結中だったミャンマーの諸勢力の軍勢は急に出て来た彼等に驚き反応が遅れ。
 そこにティンは自ら先頭に立って戦った、それは術を使うだけでなく神具も使ったものであり。
 戦場で獣の術である魔王の術、多くの敵に闇属性の瘴気をぶつけ大打撃を与えるそれを放って敵軍を攻撃してだった。
 そこに空いた穴に飛び込んで九環錫杖を縦横に振るって敵をさらに倒した、そうしてから言うのだった。
「さあ、相手したい奴がおったら来い」
「な、何て強さだ」
「まさに神だ」
「これが星の人の力か」
「一人で一万人の力は優にあるぞ」
 敵の兵達は暴れ回りつつ自在に采配を振るう彼に驚いた。
「これは敵わない」
「俺達じゃどうしても」
「戦っても無駄か」
「これは」
「降りたいなら降るんや」
 ティンはさらに言った。
「そうして共にミャンマーそしてこの世界の為に働くんや」
「命は助けてくれるんだな」
「降ったらな」
「そして仕事もそのままか」
「そうしてくれるのか」
「それならな」
 敵の者達はティンの言葉を受けて動きを止めた、そして。
 お互いに顔を見合わせて話をしてそうしてだった。
 彼等は武器を捨ててティンに降った、ティンは全ての敵軍をすぐに受け入れて自分の兵そして官吏とすることにした。
 ミャンマーはこの戦が終わり完全にティンの下に統一された、だがティンは戦後処理を終えてヤンゴンに戻ってだった。
 戦勝の祝いではなく政務にあたった、周りはその彼に問うた。
「統一のお祝いはされないのですか」
「そちらはいいのですか」
「まずはご政務ですか」
「そちらですか」
「それは夜でええやろ」
 ティンは彼等に真面目な顔で答えた。
「今はお昼やからな」
「だからですか」
「まずはご政務ですか」
「そちらをされますか」
「そうする」
 言いつつ書類を見てサインをしていく。 
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