夢幻水滸伝
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第百九十五話 川と密林の国をその九
「ここは」
「左様ですね」
「インドはここから攻められないですね」
「高くしかも密林が深く」
「そしてモンスターも多いので」
「それがし達星のモンでも」
ティンは自分のことからも話した。
「ここを踏破することはな」
「出来るのでは?」
「それは」
「ティン様なら」
「それは出来ますか」
「出来てもな、一人で何が出来るか」
こう言うのだった。
「星の者でもな」
「一人では限界がある」
「そう言われるのですね」
「そや、それを今実感してるしな」
これは戦のことだけでなく政でもだ、実は彼は今は兵制だけでなく政の仕組みも整えている最中なのだ。
「そやからな」
「だからですね」
「それで、ですね」
「例えインドの星の方がここに来られても」
「それでもですか」
「限度がある、何でもインドの神星の雷帝殿はとんでもない人やそうだが」
タゴールの話もした。
「敵は容赦なく皆殺しにして圧政を敷くな」
「ティン様の政は税は軽く刑罰は厳しくとも法は穏やかですが」
「インドでは違いますか」
「あちらの雷帝様は」
「そうらしいな、その雷帝殿はわからんが」
それでもというのだった。
「しかしな」
「それでもですね」
「インドとロシアは同盟を結んでいてです」
「東郷と周辺諸国の制圧に乗り出すので」
「このミャンマーまではですね」
「来んわ、この要害を乗り越えて我が国を攻めるより」
それよりもというのだ。
「むしろな」
「苦労してそうするより」
「それよりもですね」
「自分達とロシアの周辺国を制圧していく」
「その方を選びますね」
「やっぱりな、そやからな」
インド側のこの戦略があってというのだ。
「うちにはまず来ん、しかもインドもロシアも水軍は殆どない」
「そのことは有名ですね」
「両国共水軍は極めて弱いです」
「どちらも陸はかなりの大軍を擁していますが」
「それでもです」
「そやから海から攻めて来ることもない」
その心配もないというのだ。
「インドは大丈夫や、そして中国との境もこんなのやしな」
「高山地帯で密林で」
「あちらは浮島がありますがやはり密林です」
「そしてモンスターが多いです」
「そうした場所なので」
「中国もまず来ん、それよりもな」
むしろと言うのだった。
「やっぱりタイやな」
「我々の脅威は」
「あの国ですね」
「あの国とどう戦うか」
「それが課題ですね」
「そや、あの国とどう対するか、ただな」
今は敵対している、だがそれでもというのだった。
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