八条学園騒動記
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第六百十話 考えてみれば不思議その五
「契約もするからね」
「悪魔も契約大事だし」
ルビーも言った。
「契約を破るとね」
「駄目なのよね」
「悪魔との約束って言うけれど」
俗に破られるものと言われている。
「けれどね」
「悪魔は約束守るし」
「何があってもね」
「そうよね」
「それで契約以外のことはしないから」
「サービスもするし」
悪魔もというのだ。
「良心があるのよね」
「良心があるから契約守るでしょ」
レミも言った。
「要するに」
「そう、悪魔が神様に勝つとどうなるか」
ダイアナは考えつつ言った。
「そうしたら自分達が天界を支配して」
「天使にも返り咲くし」
「そうなると思うから」
ルビーに対して話した。
「正義ってコロコロ変わるし」
「そうよね」
「正義と悪じゃないのよ」
ダイアナはこうも言った。
「正義は勝ったら変わるから」
「勝てば官軍ね」
「そうそう、勝ったらね」
「それでね」
「正義になるし」
「悪魔も良心あるから」
「本物の悪は」
それは何かというと。
「人間よ」
「そうよね、悪魔はこんなことしないから」
レミはそのマクベス夫人の話をした。
「絶対に」
「そうでしょ」
「やっぱり人間が一番悪いわね」
「人間って善にもなって」
ルビーは考えながら話した。
「そして悪にもなる」
「そういうことよね」
レミはルビーのその言葉にも頷いた。
「要するに」
「そう、善つまり正義になっても凄いけれど」
「悪になっても凄い」
「それが人間ってことね」
「成程ね」
レミはルビーのその話を聞いて頷いた。
「吐き気を催す邪悪とかね」
「黄金の精神とかってあるけれど」
「人間はその両方に進めるのね」
「そして邪悪に走ったのがね」
「マクベス夫人ね」
「そういうことでしょうね」
ルビーはこう返した。
「要するに」
「それでその邪悪なマクベス夫人にも良心がある」
ダイアナは思わず腕を組んだ、そして真剣に考える顔になってそのうえで仲間達に対してさらに言った。
「それはわかるけれど」
「ある様に見えないから」
「そこが、なのよね」
「急に良心の呵責に苛まれるとか」
「わからないわね」
「そこまでに出て来ればよかったのに」
マクベス夫人の良心がというのだ。
「それでもね」
「そんなのがないから」
「今私達も言うのよね」
「何かおかしいって」
どうにもというのだ。
こうしたことを話してさらに観ていった、その後でマクベスは夫人が死んだという場面にもなったが。
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