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夢幻水滸伝

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第百九十五話 川と密林の国をその四

「統一には程遠い、そやからな」
「戦力を増強していき」
「そうしてですね」
「勢力を拡大していき」
「ミャンマーもですね」
「統一や」 
 そうすると言ってだった。 
 ティンは兵達を率いて賊やモンスター退治もしていった、そうしてそこから降る者達は受け入れて戦力にしてだった。
 民を彼等の脅威から守った、するとだった。
 民達はティンを星の者としてだけでなく自分達を守護する者としても慕う様になった、そうしてだった。
 彼はミャンマーの中で支持を得ていき自然と降る地元の実力者も出て来た。すると戦わずして勢力が拡大されていき。
 ティンもこのことについて周りに話した。
「戦をするよりもな」
「はい、今はですね」
「自分達から降る勢力が出て来ましたね」
「街や村が」
「そして賊達も」
「そうなってきたな」
 ティンはヤンゴンに置いた自分の官邸で述べた。
「最近は」
「そうですね」
「これはいい流れですね」
「戦わずして勢力が拡大するなら」
「それなら」
「そやな、戦ってな」
 そのうえでというのだ。
「これまで勢力を拡大してきたけど」
「それよりもですね」
「こうして戦わずして勢力が拡大されていくのならです」
「これだけいいことはないですね」
「戦はどうしても傷付く者が出るし何かと金がかかる」
 このことはティンも実感していた。
「それがし達はミャンマー最大の港と商業都市も持ってるが」
「はい、やはりです」
「お金はかかります」
「戦になれば」
「どうしても」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「はい、どうしてもですね」
「お金のことを考えますと」
「今の状況の方がいいですね」
「ティン様にとっても」
「お金は戦にだけ使うものやない」
 ティンは真剣な顔で述べた。
「やっぱりな」
「はい、内政にもです」
「そちらにも使います」
「むしろ内政の方にです」
「より使うものです」
「そや」
 まさにとだ、ティンは官吏達に答えた。
「農業や商業に使うとな」
「より多くのものが返ってきます」
「よりよく豊かになります」
「国もそうなりますし」
「民もです」
「正直そっちの方にお金を使いたい」 
 ティンは今の本音を述べた。
「そやからな」
「戦をしないで済めばいいですね」
「それで勢力の拡大が出来ればですね」
「それに越したことはないですね」
「左様ですね」
「そや、それでや」
 そうした考えからというのだ。
「これからはな」
「戦よりもですね」
「外交で勢力を拡大していきますね」
「そうしていきますね」
「そうしてくわ」
 実際にというのだ。 
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