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孤独な子犬が

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第二章

「タリーのお話を聞いてね」
「それでなんだ」
「うちに来てお話を聞きたいって言ってるの」
「タリーのことをなんだ」
「そう、キャットマンっていうボランティアをしている人で」 
 それでというのだ。
「その人がね」
「うちの話でいいなら」
 それならとだ、夫も応えてだった。
 そのキャットマンという人に来てもらった、それは通称であり本名は違った、金髪碧眼の白人のしっかりした外見の人だった。
 その人は茶色の毛のゴールデンレッドリバーとクリーム色の毛の垂れ耳の子犬を夫婦に紹介して話した。
「ゴールデンの子が母親代わりでアミラ、子犬の子がヘンリーといいます」
「今シリアは大変ですね」
「その中で猫や犬、他の生きものだけでなく子供も助けることをしています」
「そうですか」
 ネチズンが応えた。
「あの中で」
「そうしないといけないと思いまして」
 それでというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「シリアで活動しています」
「大変なその中で」
「はい、それでこの子達もです」
「ワン」
「ワンワン」
 アミラもヘンリーも鳴いて応えた、キャットマンは彼等を見つつ夫婦に話した。
「アミラは樽の中にいたところを発見されまして」
「親がいなかったんですね」
「ですが保護されてアミラがいてくれたので」
 それでというのだ。
「今は幸せです」
「そうですか、親を亡くした犬でもですね」
「人と同じで」
「親代わりがいてくれたら助かりますか」
「貴方達と同じです、ですから」
「こいつをですね」
「これからもお願いします、私も活動を続けますので」
 タリーを見て言ったネチズンに応えた。
「お互いやっていきましょう」
「はい、それじゃあ」
 二人でこう話してだった。
 ネチズンはこれからもタリー自分達が親となった彼を育てていこうと決意した、そしてキャットマンもこれからも活動をしていくと言った。親をなくしてしまった小さな命を救う為に。


孤独な子犬が   完


                 2021・4・19 
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