夢幻水滸伝
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第百九十四話 精霊使いの働きその七
「マレーシアの統一ひいてはです」
「この世界を救う仕事にですか」
「その仕事に加わってもらいますか」
「そうしてもらいますか」
「そうです、ですから」
それ故にというのだ。
「ここはです」
「降伏してもらって」
「そうしてアミン様の下で、ですね」
「まずはマレーシアの統一の為に働いてもらう」
「そしてゆくゆくはこの世界を救う為に」
「働いてもらいます」
兵達に確かな声で話した。
「是非、ですから」
「降伏ですね」
「それを促す」
「その使者を送りますか」
「そうします」
こう言って実際にだった。
アミンは士官の一人を選んで白旗を掲げさせたうえで降伏の交渉を行った。敵軍もアミンの精霊達に散々に倒されていて戦力も士気もなくしていた為に一も二もなく降伏した。
アミンはすぐに負傷した者の手当てをさせ死んだ者は自分の術で復活させた、そのうえで彼等を自分の兵に入れてだった。
そうしてだ、今度はこんなことを言った。
「では次はお話していた通りに」
「はい、スルタンにですね」
「クチンのスルタンにもですね」
「使者を送り」
「そのうえで、ですね」
「降伏を促します、これで降ってくれれば」
そうなればというのだ。
「もうです」
「はい、我々はですね」
「領土が拡がり」
「そして多くの民と兵を得る」
「そうなりますね」
「そうです、統一にもです」
マレーシアのそれにもというのだ。
「進みます」
「だからこそですね」
「ここはですね」
「スルタンにも使者を送る」
「そうしますね」
「今より」
アミンはまたこれはという士官を選んでだった。
降伏を促す使者をクチンに送った、すると兵の主力を失っていて抵抗出来ないと悟っていたスルタンもだった。
降伏した、こうして彼はシブだけでなくクチンも勢力圏に収めた、その中にはセイアンもあり彼はサラワクの西部を掌握した。
だがシブに帰るとだった、彼は今度はビンツールそしてミリのスルタン達が同盟を結んで兵を向けてきていると聞いた。
その報告を聞いて彼は確かな声で言った。
「ではです」
「再びですね」
「再び戦に向かいますね」
「出陣されますね」
「そうします」
こう兵達に答えた、自分が建てた官邸に住みそこで話をしている。
「では再びです」
「精霊を以てですね」
「戦われますね」
「そしてそのうえで、ですね」
「勝利を得られますね」
「そうします」
こう言ってそうしてだった。
アミンは再び兵を率いて出陣した、そしてピンツールのすぐ西で敵軍と会った、両軍の兵はお互い千五百程度でほぼ互角だった。
アミンはここでも精霊を使って戦い敵軍を彼と精霊だけで降した、ここでも敵兵達を降らせビンツールにもミリにも使者を送り。
降伏させてだ、こう言った。
「これで、ですね」
「サラワクが掌握されましたね」
「思えば瞬く間でした」
「もう統一されるとは」
「流石は星の方です」
官吏達も兵達もアミンを口々に讃えた。
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