ドリトル先生と不思議な蛸
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第十幕その一
第十幕 県庁に行って
先生はこの日は動物の皆と一緒に朝起きてご飯を食べました、すると暫くしてから携帯電話が鳴ってです。
出るとこう言われました。
「県庁の者ですが」
「はい、今日のことですね」
「そうです、今からそちらにお伺いします」
「そうしてくれるんですか」
「車で」
「では車で、ですか」
「県庁まで送らせてもらいます」
先生にこう言うのでした。
「そして帰りもです」
「送ってくれますか」
「はい」
先生にこう言うのでした。
「それで宜しいでしょうか」
「わかりました」
先生は県庁の人にすぐに答えました。
「それでは」
「はい、八時にです」
「こちらにですか」
「着く様にします」
こう先生にお話してでした。
県庁の人は電話を切りました、先生はその後で皆に言いました。
「車で迎えに来てくれるそうだよ」
「県庁の人がなのね」
「それはいいことね」
「じゃあね」
「僕達は待っていよう」
「そうしよう」
動物の皆も先生に答えました。
「今日はどうなるかって思ってたけれど」
「どうして県庁のある津市に行くか」
「そのことを考えていたけれど」
「あちらから来てくれるの」
「そうしてくれるのね」
「そうなったよ、では僕達は待とうね」
先生は穏やかに微笑んで言いました。
「今はね」
「そうしようね」
「最近ずっとお日様が出る間は調査していたけれど」
「今日はゆっくりしてるね」
「ここで待っているだけだから」
「そうだね、じゃあ待つ間はね」
先生は皆ににこりと笑ってこうも言いました。
「お茶を飲んでいようか」
「そうしよう」
「紅茶飲みましょう」
「誰かを待つ間は紅茶」
「これに限るわ」
「うん、それではね」
先生は皆にお話してでした。
県庁の人が来るまでの間皆と一緒に紅茶を飲んで過ごしました、そして紅茶を一杯飲み終えた時に。
県庁の人が来てくれました、眼鏡をかけて白いシャツにネクタイそれに黒っぽいズボンという服装です。髪の毛はオールバックで随分清潔な感じの中年の男の人です。
その人がです、先生に挨拶の後で言ってきました。
「ではこれからです」
「はい、県庁にですね」
「送らせて頂きます」
「宜しくお願いします」
「それで車ですが」
県庁の人は先生にさらに言いました。
「キャンピングカーです」
「皆が一緒だからですか」
「はい、ドリトル先生といえばです」
「動物の皆が一緒ですか」
「今もご一緒ですし」
県庁の人は先生と一緒にいる彼等も見ています。
「ですから」
「それで、ですね」
「はい」
だからだというのです。
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