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八条学園騒動記

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第六百九話 カレーはそれぞれその五

「鯨カレーもね」
「まあシーフードだしね」
「鯨もね」
「カロリーは相当少ないね」
「それで高蛋白だから」
 それ故にというのだ。
「だからね」
「人気なんだね」
「そうなよ、そんなに高くないし」
「鯨はね」
「だから人気あるわ」
 こちらのカレーもというのだ。
「この食堂でね」
「そうなんだね」
「鯨ってね」
 シッドが言ってきた。
「昔は食べる国殆どなかったんだよね」
「連合でもね」 
 トムが答えた。
「日本位だったよ」
「そうだったね」
「エウロパでもノルウェーとかアイスランドとか」
「そういった国位で」
「むしろ」 
 シッドにカレーを食べつつ言った、まだカイギュウカレーを食べているが心はそちらに向かっていた。
「反対の国がね」
「多かったよね」
「オーストラリアとかね」
「あの国が特にだったね」
「鯨は人間の次に頭がいいって」 
 二十世紀にこうした主張で捕鯨反対運動が起こっていたのだ。
「言って」
「環境保護団体もヒステリックになって」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「その日本だって」
「あまり食べられなくなったよ」
「そうだったね」
「けれど今は」
 トムはシッドに話した。
「この通りだよ」
「普通に食べてるね」
「連合各国でね」
「そうだよね」
「オーストラリアだって」
 捕鯨反対の急先鋒だった国もというのだ。
「今はね」
「普通に食べてるよね」
「ステーキとかにしてね」
「そうだよね」
「もう過去のことだから」
 捕鯨反対のそれはというのだ。
「だからね」
「どの国でも食べてるね」
「それも美味しくね」
「そうだね」
「けれど」
 それでもとだ、トムはここでこうも言った。
「これは連合のことでマウリアだとね」
「鯨食べないんだ」
「食べる食文化ないよ」 
 こう言うのだった。
「マウリアはあまり海とか川のもの食べないんだ」
「そうなんだ」
「だから鯨もね」 
 この生きものもというのだ。
「食べないよ」
「そうなんだね」
「鰐も食べないよ」
「鰐美味しいのに」
 実はシッドは鰐が好きでこう言った。 
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